出版社内容情報
2012年は世界各国の「変化の年」.韓国でも政権交代を賭けた大統領選挙が行われる.民主化の面でも,南北関係の面でも,後退と混迷が目立った李明博政権だが,これを以前の民主政権に戻すだけでは足りない,と筆者は言う.より質の高い民主主義とより深い包容政策を目指さなければならない.南北の民間交流を進める現代韓国最高の知性が呼びかける「次なる韓国社会」の構想とは?
内容説明
天安艦事件、延坪島砲撃事件、そして金正日総書記の急死―。南北朝鮮はいまも緊張と危機の中にある。しかし、激動の中で韓国社会は学び、民主化を遂げ、変貌し続けてきた。二〇〇〇年には、それまでの南北関係を大きく転換させた南北首脳会談も実現した。しかし、いま、韓国にはもっと「大胆な社会の変化」が要請されている、と著者は説く。李明博政権以後、求められる「変化」とは、どのようなものか。
目次
韓国の「二〇一三年体制」と東アジア
1 二〇一〇年の危機をめぐって(「天安艦」事件の真相究明は、民主主義の回復と南北関係改善の決定的な環である;二〇一〇年の試練を踏まえ、常識と教養の回復を)
2 「一九八七年体制」の平和政策(朝鮮半島の統一は「市民参加型統一」で;北朝鮮の核実験をどう受けとめるか;「八七年体制」をどう克服するか;「六・一五南北共同宣言」の意義は何か;南北分断の現実と「変革的中道主義」)
3 「二〇一三年体制」へ(なぜ「包容政策2.0」なのか;「二〇一三年体制」を準備しよう;金正日没後の「包容政策2.0」;「二〇一三年体制」をいかに実現させるか)
「金正日以後」と二〇一三年体制
著者等紹介
白楽晴[ペクナクチョン]
1938年生まれ。高校卒業後に渡米し、ブラウン大学とハーバード大学で修学。後に再渡米し、1972年ハーバード大学でD.H.ロレンス研究により英文学博士。66年季刊『創作と批評』を創刊、以来編集人を続け、ソウル大学教授を務める。現在、ソウル大学名誉教授、「韓半島平和フォーラム」共同代表で、2011年「希望2013・勝利2012円卓会議」を結成して野党勢力の「連合」に尽力する
青柳純一[アオヤギジュンイチ]
1949年生まれ。翻訳家。東北大学、大阪外大、大阪教育大を経て釜山大学大学院博士課程修了。1990年より2004年まで釜山大学など韓国の大学で日本関係学科客員教授。現在、コリア文庫(仙台)副代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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