ルポエッセイ 感じて歩く

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  • サイズ B6判/ページ数 232p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784000258418
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「シーンレス」にとって,路上はさまざまな危険にあふれた「戦場」.でも歩くことは社会とつながることであり,生きることそのものでもある.白杖を片手に,あるいは盲導犬やハイテク歩行器具,道行く人に助けられながら,今日も歩く.障がいの有無を越えて誰もが歩きやすい=生きやすい社会とは何かを体当たりで綴るルポエッセイ.

内容説明

「シーンレス」にとって、路上は危険いっぱいの「戦場」だ。でも歩くことは、社会とつながることであり、自分の存在そのものを感じる手段でもある。街の賑わい、草木の揺れる音、小鳥の囀り、人々の言葉、さまざまな風や季節の匂いを愉しく感じながら、今日も歩く。白杖を片手に、あるいは盲導犬やハイテク歩行器具、道行く人たちの助けに支えられながら。障がいの有無を超えて、誰もが歩きやすい=生きやすい社会とは何かを体当たりで綴る本格ルポエッセイ。

目次

1 杖を片手に
2 歩行訓練―自立って何だろう
3 ハイテク歩行の可能性
4 鉄道利用、夢と危険の狭間で
5 風といっしょに―盲導犬物語1
6 犬の一生から考えるパートナーシップ―盲導犬物語2
7 災害と移動支援
8 クォリティ・オブ・ライフとヒューマン・アシスタンス
9 毎日が珍道中―移動のユニバーサリズムを考える
対談 「バイリンガル」で行こう!(ゲスト・多和田悟)

著者等紹介

三宮麻由子[サンノミヤマユコ]
エッセイスト。東京都生まれ。4歳で病気のため光を失う。上智大学フランス文学科卒業。同大学院博士前期課程修了。外資系通信社で報道翻訳に携わる一方、執筆、講演、テレビ・ラジオ出演など幅広く活動。『鳥が教えてくれた空』で第2回NHK学園「自分史文学賞」大賞受賞。『そっと耳を澄ませば』で第49回日本エッセイストクラブ賞受賞。2005年、視覚障がい者の文化に貢献した人物に送られる「第2回サフラン賞」受賞。2009年、「点字毎日文化賞」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sawa

7
★★★☆☆ シーンレス(著者の造語。全盲の意味)としての歩き方。見えてる人と見えない人と、こんなにも違うのかという驚きと、当然同じだということの気付き。「私たちには助けてくれる人を見つけられない」という言葉にショックを受けた。こういう風に助けられるのは困る!という主張。その人が何に対して困っていて、何をしてほしいのかを想像するのは、当たり前の事。それが分からなければ聞けばいい。「小さな親切大きなお世話」とはよく言ったもので、相手の状況を考えない親切はただの迷惑。それは障害者じゃなくたって同じ事。(図)2012/11/29

玄米 麦代

3
著者の三宮麻由子さんは病気で4歳の時に光を失います。 「バスの停車位置が少しずれたことが分からなくて車道へ歩き出てしまった」 見えている人にとっては何でもない出来事が見えない人にとっては命に関わることになることがある。 このようなエピソードがいくつか書かれています。 病気や事故で視力を失う危険性は誰にでもある。 失うことなく無事に終わる一日を何千何万回も繰り返して今日に至っていることはとても幸運でありがたいことなんだなあと思いました。2012/08/31

田中寛一

2
全盲になった著者が「シーンレス」の立場から、日本社会を見つめなおす。「障がい者」として、声のかけられ方、点字ブロック、エスカレーター、タッチパネルなど外へ出たときに出合うものが支援としてどうなのか、述べてある。センサーを備えた杖、文字を読み取る装置など初めて知ることが多く驚いた。4歳からシーンレスを生き、大学を卒業してエッセイを書いている。目の見える私など努力していないことの方が多いのだろうという気になってしまう。便利になっているように見える機械が、人によっては不便になっているものも。見直したいものです。2012/09/16

ナナかあか

1
著者がシーンレスだということを読み始めて知った。これまで 白杖を持つ方を見かけた時 邪魔にならないようにと思うものの声を掛けたことがなかった。私たちがどうすればいいのかが書かれてあった。場合によっては介助が不要な時もあり、「ノーサンキュー」と言われた時に傷つかないでくださいと。私たちは共に生きている。2017/07/03

kiho

1
シーンレスにとって、何が必要なのか…よく言われる「やさしい社会」の「やさしさ」が本当に見合ったものなのかを三宮さんは冷静な視点から教えてくれる☆必要なのは便利さだけでなく、幅広い選択肢を持てる自由…今の社会はまだ実現できていない。2013/02/17

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