出版社内容情報
落語界ではただ一人,文化勲章の栄誉に輝く桂米朝師匠は,俳句を嗜むことでも知られる.東京やなぎ句会発足時からのメンバーでもあり,俳号は「米」にちなみ八十八(やそはち).その作風は,高座同様,粋で端正な味わいがある.本書は,米寿に先駆け刊行する初めての全句集
内容説明
落語界ではただ一人、文化勲章の栄誉に輝く桂米朝師匠。俳句を嗜むことでも知られ、東京やなぎ句会発足時(昭和四十四年)からのメンバーである。俳号は「米」の字にちなみ八十八を名乗っている。本書は、米寿に先がけて刊行する、桂米朝初めての句集である。いままでに東京やなぎ句会で詠まれた作品を中心に収録。その高座同様に粋で端正な俳句から、遊び心あふれる破礼句まで、米朝俳句の多彩な表情が味わえる。俳句にまつわる随筆、毛筆色紙図版も合わせて収めた愛蔵版である。
目次
俳句
色紙
随筆
著者等紹介
桂米朝[カツラベイチョウ]
大正14(1925)年大連生まれ。落語家、重要無形文化財保持者(人間国宝)、文化功労者、文化勲章受章。昭和18(1943)年、作家の正岡容に師事。昭和22(1947)年、四代目桂米團治に入門、三代目桂米朝を名のる。六代目笑福亭松鶴らと共に戦後の上方落語復興に尽力した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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a43
13
栞の色、薄紫。何色というのかな。この色米朝師匠に合っている。エロいことを喋ってもエロくないひとが本当に色気のあるひとだと思う。(別に句がエロいわけでないです) 師匠は俳句と落語は結びつけず、ふだん何をご覧になっていたのかを覗かせていただいた心地です。わからない季語があるので、辞書を引きながら何度も読みたい。2015/06/20
ぐうぐう
9
米寿を迎える桂米朝師匠、初の句集。昭和40年代から現在まで、東京やなぎ句会で詠まれた俳句が年代順に収録されている。読んでいて思うのは、その素直な視点と、素直な表現だ。普通、その世界でトップを取った人間は、その自信から、どこか理屈っぽくなったり、人とは違うことをことさら強調したりしがちだけれど、米朝師匠の句には、まるでそれがない。しかしその素直さこそが、実は本職である落語においても重要であることを、この句集から逆に知らされる。「打ち上げを 見て帰りきて 庭花火」2011/10/01
岡山の山奥ニート
2
「高尚なことを言わずに品のある句を詠む」お人なのだと思った。日常の中の「気づき」、それにちょこっと「面白さ」を足す。クスッと笑わせる技はさすがである。また「言葉の意味の変遷」について誰よりも敏感だった。落語でも俳句でも「この言葉は世間が知らなくなりましたので使わなくなりました」と時折言われていた。2016/02/17
どんぐり
2
「米」の字にちなんで名付けられた俳号「八十八(やそはち)」、落語家桂米朝の句集である。「春の雪誰かに電話したくなり」「打上げを見て帰りきて庭花火」「ランドセルこれが苦労のはじめかも」など、味わい深い句を詠むことができる。 2011/10/31
どんぐり
1
「米」の字にちなんで名付けられた俳号「八十八(やそはち)」、落語家桂米朝の句集である。「春の雪誰かに電話したくなり」「打上げを見て帰りきて庭花火」「ランドセルこれが苦労のはじめかも」など、味わい深い句を詠むことができる。2011/10/31
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- 和書
- 野鳥居 〈第9号〉