内容説明
「昔に比べて、私も成長したもんだ」なんて、単なるうぬぼれ以外の何物でもない―。実は私たちは、きわめて不確かで身勝手な「記憶」というものに振り回されながら生きている。記憶研究30年の著者が、自らのエピソードと最新の知見との間を行き来しながら贈る、この“曲者”とうまくつきあい、よりよく生きるためのヒント。
目次
1 自分も、人生も、記憶がつくりあげる(空白の五日間;昔も今も、同じ「私」 ほか)
2 絶対に忘れたくない!―どんな記憶が残るのか(二〇代の記憶が残るわけ;「初めて」の記憶 ほか)
3 忘れたいのに、忘れられない―嫌な記憶はなくせるか(繰り返されるフラッシュバック;周辺の記憶がない? ほか)
4 あれは本当だったのか?―偽りの記憶(同じできごとのはずなのに;先入観に注意! ほか)
5 記憶を生かして、よりよく生きる(「苦行」の記憶に奮い立つ;昔話の効用 ほか)
著者等紹介
高橋雅延[タカハシマサノブ]
1958年新潟県生まれ。京都教育大学卒業後、京都大学大学院教育学研究科修了。京都大学助手、京都橘女子大学講師、助教授を経て、聖心女子大学教授、教育学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コージー
22
★★★★☆最新の「記憶」の知見をふまえ、「よりよく生きていくたの記憶とのつきあいかた」を、著者の体験談を交え、エッセイ風に紹介。過去の嫌な記憶が忘れられない、自分の人生は不幸ばかりだ、明日への一歩がなかなか踏み出せない、そんな方にオススメしたい本です。 【印象的な言葉】①記憶をよくするためには、覚えようとするのではなく、覚えようとするものが意味していることを理解すること。②過去のできごとについてその意味づけを変えるためには、そのできごとを、それまでとはちがうことばで語り直さなければならない。2019/07/10
サワ
6
記憶というのは何度も何度もイメージが付加されて歪められていくのですね。鮮明に覚えている…とか、正確に記憶してる…というのは大げさな表現で、もっと言えば嘘に近いものがあります。一般的に抱かれている記憶のイメージは、少し過大評価なのかもしれませんね?2020/09/01
SKH
6
「絶対的な解決法はない」2014/11/25
たこ
3
正しい記憶とは、私の中にいくつ残っているのか?いいことも、悪いことも、記憶は薄れ、塗り替えられていくモノかも。私自身は、私をどのように記憶し続けるのか? いいとこばかり、記憶する方が、幸せですね。2012/04/28
攻めろ
1
記憶ってのは捉え方によって大きく形を変えてしまう つらい時は悪い記憶が蘇ってくるものだからそれだけが自分自身だと思い込まずにポジティブにいきたい2019/10/24