出版社内容情報
宮崎監督が“トトロ”が喜んで住みそうな「懐かしい家」を訪ね歩いて、絵と文で綴った『トトロの住む家』。2010年7月に完成した監督デザインの公園のイメージボードとともに写真、インタビューも収録した増補改訂版。
内容説明
トトロが喜んで住みそうな懐かしい家。昭和三十年代の面影を残す家と風景へ。
目次
人と草木と家が、同じ時を生きて造り上げた
大きなケヤキの梢の下に草と木がひしめく
子供時代の残映を優しく包み込む四畳半
照葉樹の森へと戻る庭にエゴノキの大樹
両手でも抱えきれないサクラの木と思い出
「闇」と「迷宮」を守り通すおじいちゃんの頑固
「世の不思議」をただよわせる家がいい
Kさんの家が公園に生まれかわった
「懐かしい家」の思い出を風景として継承する
著者等紹介
宮崎駿[ミヤザキハヤオ]
1941年生まれ。アニメーション映画監督。学習院大学政治経済学部卒。1963年、東映動画(現・東映アニメーション)に入社し、その後、ズイヨー映像、日本アニメーションなどを経て1979年『ルパン三世カリオストロの城』を初監督。1984年に『風の谷のナウシカ』の原作・脚本・監督を担当。1985年にスタジオジブリの設立に参加。スタジオジブリでは『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』などを監督している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きむこ
52
図書館で見つけて衝動的に借りた本。宮崎駿さんが散歩中に見つけた「トトロが喜んで住みそうな」お気に入りのお家を紹介している。古いけど丁寧に大切に使われていてお庭にもこだわりがあるなんとなく懐かしい家。その家の説明と写真と共に宮崎さんが描いたそのお家のイメージ画が添えられている♡若い頃はこんな家は古臭くて住みづらくて絶対に嫌だって思ってたのに、確かに落ち着くし、そこに住まわれている方がそのまんま表れているようで素敵だ。「闇がある家がいい。」という宮崎さんの持論に納得。2015/03/15
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
45
宮崎駿さんが〈トトロが住みそうな懐かしい家〉を訪ねた住宅エッセイ。スタジオジブリがあるJR中央線沿線の〈西東京エリア〉は、緑が多く古くていい感じの家々が残っています。昭和初期に建てられた〈文化住宅〉と呼びたいような家。「夏は暑くて冬は寒そう。でもいいな〜」という感じの家が紹介されています。本当にススワタリとか出てきそう。宮崎さんの力の抜けた感じのスケッチがとても魅力的。いせひでこさんの絵本を読んでいる時、何度かこの本のことを思い出しました。水彩絵の具よりさらに淡い色鉛筆で描いたようなタッチです。2014/06/08
ぶんこ
42
写真とスケッチが家々の趣を伝えてくれています。家と庭との調和、そして街並みとの調和も素晴らしい。特に欅のある中野区白鷺のMさん宅前の並木道が素晴らしい。山の別荘地のようです。Mさん宅の大らかさもお気に入り。最も好きな家が吉祥寺のOさん宅。草木を愛し、野鳥の巣箱があって、家の裏まで掃除が行き届いている。桜の木に抱きつくおばあちゃん、なんて可愛い。反するのが、台所の写真を見た家。公職追放後何もしない夫による改造禁止により、多大な迷惑を押し付けられた家。著者はそれも良しとされたが、私は奥様を思うと切ない。2019/01/26
たいぱぱ
42
図書館にて偶然発見!27年前に宮崎さん、こんな本出してたんですね。宮崎さんが散歩で見つけた好みの家のお宅訪問記。家のイラストが凄く良い!当たり前だけど流石です。20年後に増補改訂された「Aさんの庭」にまつわる話が凄く良かった。宮崎さんの奥様が言われた「これがお父さんのやった一番良い仕事」っていうのが心に染みた。2018/07/09
寂しがり屋の狼さん
39
宮崎さんが散歩で見つけたお家が素敵なスケッチや写真で綴られています。30年近く前のものですが…古き良き日本家屋とそこで暮らす人の温かさが詰まっています。『トトロの住む家』…今はどれくらいが遺されているのかな。こうして本や作品として遺していく宮崎さんは凄いですね(*^.^*)2020/04/30