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内容説明
私たちは「文字のない言語は遅れている」などと思い込んではいないだろうか。けっしてそうではない。文字のない社会での話しことばは圧倒的に豊かで、深く、そして力強い。ことばを通じて動植物、火や水など身の回りの自然、カムイたちと共に生きるアイヌの人々の日常生活から、さまざまな歌、壮大な物語まで、豊饒な語りの世界を紹介し、文字を持つことで記憶を失い、自然を侮り、語り合いを怠ってきた私たちの生き方を見つめなおす。
目次
第1章 人は世界と語る(水のせせらぎ、鳥の羽音、はぜる炎;「祈り」によって語りかける;カムイとの駆け引き;誰の中にも憑神が住んでいる)
第2章 この世でもあの世でも人は語り合う(広い大地で人と出会う;死者たちと語り合うとき;争いを避け、ことばを戦わす)
第3章 歌い、楽しみ、知恵を伝える(メロディにあふれた生活;カムイが語る「ものがたり」;語り継がれる思想と論理;時間と空間を越えて戦う超人たち)
第4章 人のいとなみとことば(誰の口から語るか;男の語ることば、女の語ることば;幸も不幸せも名前で書く;地名から伝わるその土地の姿)
著者等紹介
中川裕[ナカガワヒロシ]
1955年生れ。1978年東京大学文学部言語学科卒業。現在千葉大学文学部教授。専攻はアイヌ語学・アイヌ文学・言語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かおりんご
28
アイヌの価値観やアイヌの方々が受け継いできた歌・物語について詳しく紹介されている。日本語には訳せないものもあるそうで、日本政府が行なった民俗同化政策が悔やまれる。言葉は使われないと、消滅していくから。「ゴールデンカムイ」から興味をもったアイヌですが、まだまだ知りたいことだらけです。2019/12/22
こざる
0
いわゆる無文字社会だった頃のアイヌの言語生活を精査していくと、東京都の「言葉の力」再生プロジェクト(by猪瀬直樹)と同じエッセンスにたどり着くところが面白い。「他の人間との関係も、自然との関係も、自分自身の力で解決していかなければならなかったアイヌ人にとって、ことばの力を養うというのは、現代の我々が考えているより、はるかに重要なことであった」(p.95)。自分の脳で記憶し考え、自分の言葉で語り、何より実感を伴った世界観を構築していく。理想化する気はないが、立ち止まって考える時間の重要さくらいは見直したい2011/05/26
ぽんとぽこ
0
アイヌの世界は深い。2011/05/18




