内容説明
友の思いがけない言葉に勇気をもらった、恩師のさりげない言葉で生き方が変わった、先輩の痛烈な言葉に目を覚まされた―。人生の宝物ともいうべきひと言を、各界で活躍中の六〇人がエッセイに綴りました。短い言葉でも、その奥に真の優しさ、思いやりがあるからこそ、大きな力を発揮するもの。ひと言で深まる絆、心と心のふれあいに、感動せずにはいられません。かけがえのない「何か」を思い出させてくれる、心あたたまるエッセイ集です。
目次
「あなた、とってもすてき」(篠田節子)
「言葉をめぐる五つの挿話」(松本幸四郎)
「男は黙ってヒデオ・ノモ」(二宮清純)
「添乗ガイドだった頃の思い出」(玉村豊男)
「風呂場の歌」(村松友視)
「日々これ勉強」(小田島雄志)
「書くことだけがお前を助ける」(船曳建夫)
「おふくろさん、元気?」(戸張捷)
「楽しく音楽しましょうね」(千住真理子)
「夢を見たの」(岡本おさみ)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
38
褒められて、諭されて、激励されて、先人の言葉から育ち、発奮したひと言。 そして、言ってはならないひと言からの反省。 色々な忘れられないひと言が書いてありました。 あの人が、どんなひと言で心うごかされたかが分かって、それも面白かったです。 私自身は20代の頃の親友からのひと言が、自分を救い、その後の人生を明るくしてくれる切っ掛けになり、いまだに感謝しています。 誰にも、そんなひと言が有るといいなと思いました。2015/04/06
あつひめ
32
有名人が60人も・・・自分の中に大切にしまっておいたものを披露してくれている。誰にでも印象に残っている言葉はあると思う。それは褒めるものであったりお尻を叩くような厳しいものであったり。でも、その言葉は言われた本人にしか魔法をかけることはできない。他人がその言葉を心にとめて魔法にかかろうとしても上辺だけの真似で終わってしまう。自分を奮い立たせてくれる一言は人それぞれなのかもしれない。その一言を聞き逃さないように生きることが大切なのかもしれない。男のロマンは女のガマン・・・は口元が緩んでしまった。2011/07/18
かおりんご
26
エッセイ。いろんな一言があるんですね。私が心に残った一言はなんだろう・・・なんて考えてしまいました。さらっと読めます。2014/02/15
アメフトファン
21
阿川佐知子さん等著名人の忘れられない一言についてのエッセー集。重松清さんの友人の゛いろいろあるさ゛という言葉に救われて、それ以来人を救える小説を書き続けているエピソードが印象深かった。確かに重松さんの作品には優しさであふれていますよね。2013/11/05
ごま
12
60人の3頁前後のエッセイ。自分の糧になった誰かのひと言を教えてくれる。読書っていいなと正に思う。心に残ったのは夏目房之介さん『吉本隆明からもらった勇気』「沢山の偶然にないまぜられた必然が、きみを今の境涯につれていったとしたら、きみはそこを逃れられないし、また逃れる必要もないのだ。わたしたちはそのようにできあがっている。それが、わたしたちのたたかう場所である」梯久美子さんによる料理人パトリス・ジュリアンの言葉「自分のまわりの半径1メートルくらいは、自分の内側と同じ」コメントに続く。2017/01/15