内容説明
海獣とは、シャチやイルカ、セイウチなどの海に住む哺乳類のこと。数少ない海獣専門の医師として、体当たりで動物たちと付き合ってきた著者が綴る、30年の歩みと水族館の舞台裏。アマック、カレン、ムックにタック。個性的な海獣がたくさん登場します。
目次
1 育てることで育てられる(イルカに誘われ水族館へ;ベルーガのアマックが教えてくれたこと;獣医はじめの一歩)
2 毎日が応用問題(ロシアから来たセイウチ、ムックとタック;シャチのカレンは人見知り;背水の陣、ムック牙を抜く ほか)
3 ママになる動物たち(わたしはアシカの代理ママ;ペンギンピヨちゃん嫁ぐ;アザラシのリックはベテラン母さん ほか)
著者等紹介
勝俣悦子[カツマタエツコ]
1953年東京生まれ。日本獣医畜産大学獣医学科卒業後、1977年に千葉県の鴨川シーワールドに入社。ベルーガ(シロイルカ)の飼育担当を経て、シャチ、イルカ、セイウチ、アシカなど海獣類の健康管理に従事する。日本における本格的な海獣医師としては女性第1号であり、現在では海獣医師の世界の第一人者として知られる。2003年には長年の夢だったバンドウイルカの人口授精に、研究者などの協力を得て日本で初めて成功。その功績により日本動物園水族館協会の古賀賞を受賞した
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感想・レビュー
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みなみ
11
Kindle Unlimited で読了。53年生まれ、77年に鴨川シーワールドに入社した著者の獣医としての足跡をたどる一冊。なので出てくる海獣たちもいまでは世代交代している。当初は飼育員として働いていたが途中からは獣医として活躍する。シーワールドの生き物への愛情に心を打たれ、暗中模索のような獣医としての活動に体当たりで取り組んで道を切り開く様子に頭が下がる。セイウチのムックの手術のエピソードが印象に残った。鴨川シーワールドに行ってみたくなる一冊。2022/12/07
seichan
2
圧倒的に面白い。著者の語り口と立ち位置が自然体で、最後まで巻措くこと能わず。一気に読んでしまった。動物好きは必読。2011/04/22
susululu
1
冷静な獣医師の目と熱い動物愛を併せ持つ勝俣先生が大好きです〜海獣好きな方だけでなく動物好きな方に読んでもらいたい。2012/11/07
タマサブロウ
0
歳をとると、涙もろくなっていかん。 2011/06/30
はちがみっつ
0
鴨川シーワールドの獣医師、特に海獣類。入社はトレーナーとして。獣医に特化してからは、特に繁殖について尽力を注ぐ。まず日本の水族館として、海獣の病気や繁殖について、この時代はそれほどの事例がなく、この水族館での経験自体が症例として貴重な資料であった事が初耳だった。そして30年以上にわたるご活躍。頭が下がる。2022/11/09