内容説明
万能の天才・レオナルドはどんな食事をとっていたのか。好みの料理は。ヴェジタリアン説は正しいのか。「最後の晩餐」に描かれたメニューは、彼の遺した膨大な「手稿」(ノートの類)や買い物メモを手がかりに、想像の旅が始まります。レオナルドの蔵書から、食と健康に関わる本『サレルノ学派の養生訓』、『佳き生活と健康』も巻末で紹介。ルネサンス時代に思いを馳せながら、料理研究家ならではの好奇心あふれるこのエッセイをお楽しみ下さい。
目次
はじめに―なぜ「レオナルド・ダ・ヴィンチの食事」なのか
レオナルドの生い立ち
レオナルドの手稿について
食材を探す旅
レオナルドの蔵書
「解剖手稿」を読む
ポントルモの日記から
ミケランジェロの食生活
ルネサンス時代の料理
「最後の晩餐」の皿の上
アンボワーズの館
著者等紹介
渡辺怜子[ワタナベレイコ]
1929(昭和4)年、東京生まれ。イタリア料理研究家、エッセイスト。1960年代よりイタリアとの交流を深める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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キムチ
37
伊料理研究者である筆者がこれを上梓したのは80歳の時。誰しもが認めるヴィンチ村のレオナルドさんを淡々と語り、穏やかに、王侯の生活をし、静かに神のもとにみまかった事がひたひたと感じ取れた。まさに「よく生きた者にはよき死がある」ことを体現したかのようだ。料理専門家だが、単一視点ではなく、彼の手稿、買い物メモや友人の日記などから食に繋がるモノを引っぱり出している。新大陸で食人の事実があったことを知り、肉食を忌んだり、おへそやリボンの形をしたパスタを好んだり・・まぁ人間的♡そして少年愛の相手サライに振り回されたり2014/04/30
青蓮
10
レオナルド・ダ・ヴィンチが生きていた時代の食を中心に、彼の遺した手稿を元に書かれた衣食住エッセイ。壁画に描かれたものから類推される食生活など、とても新鮮。料理史、世界史と言ってもいいかも。当時の健康法や再現レシピも載ってます。2022/01/04
Christena
8
レオナルド・ダ・ヴィンチが生きた時代の食卓を、当時の文献をもとに考察した内容。本当にダ・ヴィンチが食べていたかどうかは不明という、タイトルから想像したものとは違う内容でした。2014/03/10
人生ゴルディアス
4
ダ・ヴィンチの残した手稿を元に、主にダ・ヴィンチが食べたと思われる食べ物の再現と、当時の食習慣、またはダ・ヴィンチの残した絵画に描かれた食べ物を推測したり、ライバルであったミケランジェロの食事などを追いかける、ルネサンスのフィレンツェ食事ガイドといった感じ。王族の饗宴についても色々記述があって面白い。当時の名称が今にも残る料理の変遷などもあって、想像もしやすい。2016/02/01
Humbaba
3
時代が異なれば、それに応じて常識は異なる。現代においては酷いと思われることであっても、その自体においては常識であるということもあり得る。それを現代でやろうとするのならば愚かな行為と言えるが、だからといって現代の知識によって断罪するのもまた愚かなことといえる。2015/06/14