出版社内容情報
憲法を無視して進められる強引な政治に抗する原理として、「立憲主義」が注目されている。かつて戦後憲法学に近代立憲主義を復権させた著者が、再び「近代」への考察を突き詰め、憲法学を問い直す。著者の立憲主義論の到達点。
内容説明
選挙での勝利=「民意」を盾にして進められる強引な政治に抗する原理として、「立憲主義」が注目されている。1973年に刊行した最初の著書で、戦後憲法学に「近代立憲主義」を復権させた著者が、自説に寄せられた批判に答えつつ、再び「近代」の構成原理への思索を突き詰め、憲法学のあり方や立憲主義と民主主義の関係などを問い直す。著者の立憲主義論の到達点。
目次
第1章 「知」が「近代」を構想したとき(「危機」への知の対応;「立憲主義」と「憲法制定権力」―対抗と補完 最近の内外憲法論議の中から;「ルソーの立憲主義」をめぐって―『社会契約論』を副題『国法諸原理』に即して読む)
第2章 「近代」が「自由」を制度化したとき(「近代」の公理の法学上の再発見とその問題性;「共和国」=立法中心主義と違憲審査制の「共存」?;憲法にとっての経済秩序―規範形式と規範内容から見て)
第3章 「近代」=「普遍」が「歴史」に向き合うとき(法・歴史・記憶;「歴史」にからめとられる「共和国」=「市民」?)
第4章 学問・政治・憲法のトリアーデ(戦後史の中の憲法学―一局面の概観;憲法に対する憲法学の向き合い方)
著者等紹介
樋口陽一[ヒグチヨウイチ]
1934年生まれ。憲法専攻。1957年東北大学法学部卒業。東北大学法学部、パリ第2大学、東京大学法学部、上智大学法学部、早稲田大学法学部などで教授・客員教授を歴任。日本学士院会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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