内容説明
絵本から読み物への移行がむずかしいとよく言われます。小学生になって文字が読めるようになっても、自分で本を読めるようになるとは限らないのです。たくさん速く読むことよりも、大切なのは、しっかりとした物語をじっくり味わう体験。読書は子どもたちの「生きる力」を育ててくれます。どんな本を、どうやって届ければよいのか、理論と実践の両面から力強く語ります。『読む力は生きる力』以来の一連の著作の集大成。
目次
第1章 本を読むことで育つ力
第2章 思春期にさしかかる前に
第3章 「書き言葉」の世界へ
第4章 昔話からもらえるもの
第5章 子どもの本は会話の宝庫
第6章 「生きる力」を育てる物語を
第7章 書き方だって読めば学べる
第8章 読むことで開ける新たな地平
第9章 物語を読み聞かせよう
第10章 ボランティアでもできること(小幡章子)
著者等紹介
脇明子[ワキアキコ]
1948年、香川県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了(比較文学)。ノートルダム清心女子大学名誉教授。「岡山子どもの本の会」代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nikoniko313jp
19
思考力 想像力 記憶力 感情移入によって育つ自己認識力。生きていく上で持っていると絶対やくにたつと思われる。我が子に持たせたい力です。「書き言葉」の力をつけるのはやっぱり読書ですね。読んで文体をまねて自分流にアレンジできると文章を書く事が楽しくなりそう♪子どもたちへの読み聞かせ再開です♪2014/11/03
鳩羽
12
読み書きといった国語能力のためだけではなく、読書には思考力、想像力、記憶力を鍛え、長い人生を生き抜くための力を身につける効果がある。冊数を競ったり、流し読み、拾い読みでは、そのような効果は低く、結局読書本来の楽しみも得られないのだろう。生きる糧となるには、どのような本が適しているのか。絵本や幼年童話から、長い物語へと移行していく過程において、筆者は長い物語を少しずつでいいので読み聞かせるという方法を提案する。時間をかけて、長い話に付き合っていくこと。クラスで物語を共有すること。2014/10/18
航輝
11
図書館本 子どもの本の読み聞かせから得られる喜びと変化について書かれた一冊 中には物語や昔話の代表的な物語の紹介があったりして気になったり 読書タイムはやっぱり新しい力を身に着けさせてくれるということを実感出来る2023/06/24
うっきー
9
小3の娘にファンタジーを読ませたくて、誘導するための本探しのために図書館で借りたところでしたが、 書評以上に人の読み方についての差異を論じていて、行間を読むような想像力をどうやったら身に付けられるか未だにわからない自分は小学生時代にこれを教えてくれる人に出会いたかったと思いました。 また、自分の読書の在り方を考えるために、本書に紹介された本を読みたくなりました。2017/04/22
みこ
9
読書から得られる力とはなんでしょうか?本書では、思考力、想像力、記憶力、自己認識力、自己制御力、書き言葉を読み書きする力などが挙げられています。このあたりは読んでみれば納得です。本ならではの良さがしっかり書かれています。また、小学校において本の冊数で子どもを褒めることに疑問を呈していました。私もこの点には同感。多く読む=素晴らしいではないと感じます。ただ、だとすればどの点で子どもを評価すればよいのでしょうか?正直思い浮かびません。やはり冊数は数値として出る分、評価しやすいですよね。ご意見お聞かせ下さい。2017/01/25