内容説明
メガネ、ボタン、フォーク、本、紙…。中世に発明された日常の身近な事物の数々を、美しい図版とウィットのきいた文章でたどる歴史の旅。
目次
第1章 読むこと、数えること
第2章 愉しみのとき、義務のとき
第3章 服を着る、服を脱ぐ
第4章 そしてフォークが登場した
第5章 戦をするために
第6章 陸へ、海へ
著者等紹介
フルゴーニ,キアーラ[フルゴーニ,キアーラ][Frugoni,Chiara]
1940年生まれ。元ローマ大学教授。中世ヨーロッパ史(文化占・宗教史・美術史)
高橋友子[タカハシトモコ]
1957年生まれ。中世イタリア史。立命館大学大学院博士課程後期満期退学。元神戸女学院大学文学部教授。2007年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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猫
11
図書館本。中世の頃に生まれた現代に繋がる道具などをカラーの図版をたくさん交えて紹介してくれる。語り口調が面白く読みやすかった。昔は服(身頃)と袖は別々だったということに驚いた。洗濯の手間を減らすためで、ボタンやリボンで繋いで取り換え自由だったそうな。2018/11/25
viola
9
カラー版とあるように、オール・カラー。その分お値段が3000円overとやや高めですが、カラーなのは嬉しい!面白かったのはメガネとフォーク。メガネなんて全く着目してなかったけれど、今度から絵画でメガネをかけた人が出てきたら要チェックですね。フォークは当初、人間を軟弱にする悪魔的な堕落の道具と見なされていた・・・など、知らなかったことも多く勉強になりました。中世からあったんだなぁ。『アーサー王物語』でよく出てきた「袖」もいまいちぴんときませんでしたが、少し理解できたような。面白かったです♪2011/08/15
Christena
5
オールカラーで細密画が満載。中世ヨーロッパに登場した、眼鏡、武器、フォーク、羅針盤、文字、書物、衣類などについて解説。まるで博物館に行ったみたいな気分になれる本でした。かなり萌える。2014/03/15
ユーディット
4
著者のキアラ・フルゴーニは私の論文でも参照する尊敬する研究者。だけあって、正直言って非常に親しみやすい装丁の割には内容は本格的で、あまり一般書とは言えない。参考文献、注釈の入れ方など全く素人向けではないが、暗黒の中世と言われていたわりには、中世に生み出された物がたくさんあるのをカラーで美術資料を参照しながら論証している。眼鏡、窓ガラス、ボタン、フォーク、本、紙など私の授業でも話題にする物ばかり。2014/12/23
影実
2
メガネやフォーク、下着や袖、製本技術など中世に発明された様々な道具や習慣などを豊富なカラー図版でわかりやすく解説している。内容も面白く語り口も読みやすい。楽しみながら中世へ思いをはせることができる良著だと思う。中世の文化や身近にある道具などのルーツに興味がある人は一度は手に取ってみる価値があるのではないか。2011/03/22