出版社内容情報
珠玉の小品「夢十夜」に、名手近藤ようこが挑む。いざ、漫画に描かれた漱石の夢の世界へ。
内容説明
漱石が遺した珠玉の小品『夢十夜』に名手近藤ようこが挑む。
著者等紹介
近藤ようこ[コンドウヨウコ]
1957年新潟市生まれ。漫画家。折口民俗学への関心から國學院大學に進学し、在学中に漫画家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
105
夏目漱石の夢十夜を劇画化したものです。私は岩波のホームページで連載しているときに少し読んでいました。雰囲気はぴったりしているのですが、どうも怖さがいまいち少ないような気がしました。例えば子供を背負っていく話などは、原作の方が結構怖い気がしていて近藤さんのは怖さよりもくすりという感じがしました。ブタの話も同じ感じでした。でもいい本でした。2017/11/24
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
98
夏目漱石の名作を近藤ようこが漫画化。他人の夢の話ほどつまらないものはないとはよく言われるが、そこそこ面白いのは漱石の手柄か近藤ようこの手柄か?。私は幻想的な話が苦手で、きちんと面白味を踏まえていない幻想は単なる目茶苦茶だとしか思えないタイプ(他にどんなタイプがあるかは知らんが)なのだが、この本も最初はつまらないと思っていたら、盲目の子をおんぶする話から面白くなった。怪談風の話より、つげ義春風のものが面白かった。突飛なようですんなり呑み込めるのは近藤ようこの作画のお陰だろうと思う。これが明治の人が見た夢か。2017/10/23
紫羊
52
楽しみにしていた近藤ようこさんの「夢十夜」。怖さ、美しさ、酷さ、滑稽さ…それぞれ趣の異なる十話が、原作から受けるイメージを損ねることなく描かれているのは流石です。原作を読んで感じた、腑に落ちない心地悪さというのでしょうか…人がこの世に生まれ落ちる時に背負わされている業のようなものの気配は、この作品からも十分に伝わってきました。2017/01/22
★YUKA★
43
金井田さんの挿絵版は読みましたが、漱石の原作は、まだ読んでいませんでした(°Д°) 漫画も『夢十夜』の雰囲気にあっていて良いですね。2017/07/08
リッツ
35
黒澤明の映画「夢」と混同していてた。あれも確か「こんな夢をみた」から始まるオムニバス形式だったはず。そして本書の原作の夏目漱石は未読だった。近藤ようこさんは惹かれる漫画家さん。夢のなかで取り残されたあてどのないような寂しさと不思議な恐怖。原作を読みたい、そしてもう一度本書を味わいたい。2019/05/04