出版社内容情報
「もの」のざわめきに声(ことば)をあたえる発話行為が、ものがたり(物語)である。『源氏物語』や『平家物語』に始まり、能、浄瑠璃、歌舞伎を生みだし、さらに江戸の戯作小説をつくりだした物語の言語空間は、日本の「近代」とどのように出会ったのか。幅広い射程で文学を捉え続けてきた著者が磨き上げた物語論の決定版。
内容説明
ものがたり(物語)の言語空間は、「近代」とどのように出会ったのか。人文諸学の知見とともに日本の古典文学から近代文学の大海へと漕ぎだす本書は、従来の文学批評と研究の常識をかろやかに超えてゆく。著者が築き上げてきた物語論の到達点を示す。
目次
1 主体/自我という病(ラフカディオ・ハーンと近代の「自我」;王朝の物語から近代小説へ―語りの主体から「自我」へ)
2 近代小説と物語(泉鏡花の「近代」;泉鏡花、魂のゆくえの物語;北村透谷と他界、異界)
3 物語の声と身体(声と知の往還―フォーミュラ;踊る身体、劇的なるもの;オーラル・ナラティブの近代)
4 物語/テクスト/歴史(ものがたりの書誌学/文献学;物語テクストの政治学;歴史語りの近代;歴史学と「物語」史観について)
著者等紹介
兵藤裕己[ヒョウドウヒロミ]
1950年生まれ。専門は、日本文学・芸能論。埼玉大学、成城大学を経て、学習院大学教授。文学博士(東京大学)。著書に『太平記“よみ”の可能性』(サントリー学芸賞、講談社学術文庫)、『声の国民国家』(やまなし文学賞、同)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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