出版社内容情報
泥まみれで地中から見つかる文字の書かれた木片、木簡。歴史に新たな光を当てる貴重な情報を秘めている木簡から、どんなメッセージを、いかにして読み取るのか。日々最前線で調査研究に携わるエキスパートたちが、様々な切り口から研究の醍醐味を語り、木簡の世界の面白さ、奥深さを分かりやすく紹介する。バラエティ豊かな木簡写真を多数収録。
内容説明
泥まみれで地中から見つかる文字の書かれた木片、木簡。歴史に新たな光を当てる貴重な情報を秘めている木簡から、どんなメッセージを、いかにして読み取るのか。日々解読に取り組むエキスパートたちが、さまざまな切り口から研究の醍醐味を語り、木簡の世界の面白さ・奥深さをわかりやすく紹介する。ヴァラエティ豊かな木簡写真を多数収録。
目次
1 木簡とはなにか?
2 木簡の発見!歴史の発見!
3 木簡の使われ方
4 あれも木簡?これも木簡!
5 木簡を深読みする
6 木簡からみえる古代人の日常
7 木簡を未来に伝えるために
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鯖
20
墨で書いてはかつおぶしみたいに薄く削り、また書いてを繰り返し、果てはトイペならぬトイレットウッドとして天寿をまっとうする木簡。大往生やで…。おじいちゃんよくがんばったよおじいちゃん…。堂々たる字で「鍋8つ、燈明皿143枚を和同開珎〇〇枚で買ったよ~」まではよかったものの「でも稲積は急な腹痛で納品と報告に参れません…」だけ、言い訳がましくちっちゃく書かれた木簡。木簡と紙の使い分け等等。新聞連載のエッセイが元なので、さらっと読めて面白かった。2020/06/21
kenitirokikuti
11
図書館にて。2020年刊行。平城宮跡八割以上が国有化され、ほぼ全域(130ha)が特別史跡となっている。奈文研(奈良文化財研究所)が継続的に学術調査するようになって60年ほど、発掘は1/3を超えた程度で道半ば以前。本書はそんな奈文研メンバーによる木簡エッセイ集で、朝日新聞土曜版beに2018.4.7から2019.3.30まで連載されたもの▲平城宮跡での木簡出土は第一号は1961.1.24。以来数十万得ている。もっとも再利用のために削った「花がつお」みたいなの一切れもひとつと数える。8割ほどはそれ。2023/11/03
紫草
9
元々新聞連載だったということで、一つ一つの文章が短くてとてもわかりやすい。木簡のことを何も知らないし別に興味もないという、私のような普通の人が退屈することなく、でもとてもまじめに丁寧に書かれている。書いている方々が、木簡をとても大切に(研究の資料として、千年以上の間壊れずに遺った宝物として、昔の人の声を直接聞けるものとして)想っていて、それを私たちにも伝えてくれようとしているのを感じた。歴史に名を残すような人ではない普通のお役人たちが、生きて一所懸命働いてたのが垣間見える木簡をもっと知りたくなった。2021/12/08
さとうしん
8
新聞連載をまとめたものということで取っつきやすい。木簡と紙の併用と用途の違い、木簡の様々な形状と機能、時期による書風の違い、保管と削り櫛の接合による現形の復元といった話題が面白い。多方面に行き届いた内容になっていると思う。2020/03/08
さと
2
木簡についての概説本。初心者にも分かりやすく書かれていた。木簡の使用用途の多さに驚き。2023/08/20