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内容説明
1913‐1930年代。「教養」をアカデミズムの牙城から「市民」の手が届くところへ。岩波書店の創業から出版活動が軌道に乗るまで。三人の書き手が描く、文化史としての出版社史(全3冊)
目次
第1章 古書店からの出発
第2章 出版活動に乗り出す
第3章 「知識」から「教養」へ
第4章 漱石の死と個人全集
第5章 雑誌の時代
第6章 同時代文学との関わり
第7章 複製芸術と時間を遡行する旅
第8章 美しい本をつくる
第9章 岩波文庫と労働争議
著者等紹介
紅野謙介[コウノケンスケ]
1956年生。日本大学文理学部国文学科教授。専攻、日本近代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
13
独学の人、久津見蕨村(けっそん1860-1925、16頁)。幸徳秋水や堺利彦と近しいアナキストとのこと。神田の大火事が100年前の2月20日にあったという(19頁)。知らなかった。1881年にも大火があった(21頁)。学校で教える「知」が十分ではないこと(34頁)。過日の岩波茂雄展でその一端を知り得た。知の広さと深さ。独立自営や独立市民の思想を生む(38頁)。自然と福沢諭吉の独立自尊との違いを検討してみたくなる。岩波と漱石の関係もよくわかる。安倍能成は書店看板について漱石は請負したことを記す(39頁~)。2013/11/14
やまやま
11
大正初期の創業から1930年ごろまでの岩波の歴史においては、漱石全集を成長の大きな契機の一つとみることができる。注目されたのは漱石全集の編集と校正という点で、できるだけ早期に刊行を図るために、新聞の切り抜きなどが草原稿として内田百閒や林原耕三に渡されるが、間違いの多い印刷物を校正していくプロセスが興味深い。原作者の原稿通りにすると言っても、既に漱石はこの世になく、文章癖を弟子たちは丁寧に思い出しながら「漱石文法稿本」を編み出したことに驚嘆する。漱石の意識しなかった文法を探ることを継続した成果である。2020/12/25
takao
2
ふむ2021/01/07
ぽん教授(非実在系)
2
興味深いエピソードがたくさん、だが体系的というわけではない。手掛かりにはなる。2014/11/26
rbyawa
1
j004、ざっくりと言ってしまうと「文芸」と言われているものがほとんど出てこず、シェアの低い学術分野に関してだけなのでは? と一見見えるのではないかなとも思えるものの。出て来た小説はいわゆる宗教ブームの所産であって…まあどっちかというと読んでたのは庶民だな。あとインテリの読んでいた随筆なんか、結構な売れ筋が並んでいて、現代知名度って意味だと小説にだいぶ譲るものの…部数って意味だと…だいぶ上じゃないかな意外と。紅野さんらのおかげで知ったのでこの本も素直に読めるよ! で、なんで岩波はこういう方針なんだろうね?2019/01/18