目撃証言

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  • サイズ B6判/ページ数 333,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000252898
  • NDC分類 327.62
  • Cコード C0011

出版社内容情報

強姦殺人事件の容疑者が逮捕された.物的証拠はないが目撃者の「彼に間違いありません」の一言で死刑が宣告される.しかし証言に誤りはないのか.数々の事件を追いながら,証言のあやうさ,記憶の不確かさをスリリングに描く心理学的ノンフィクション.

内容説明

ある女性が強姦のうえ殺害され、その二人の子供も殺された。一人の容疑者が逮捕されたが物的証拠はない。それでも「この人に間違いありません」の一言で死刑が宣告された。しかし、目撃者の証言に誤りはないのか。記憶はそれほど確かなものなのか。記憶研究の第一人者が、数々の事件を追いながら、目撃証言の危うさ、記憶の不確かさをスリリングに描く心理学的ノンフィクション。

目次

第1部 背景(心理学者のかかわる裁判;心の魔法)
第2部 事件(暗黒の司法―スティーブ・タイタス;生粋のアメリカ少年―テッド・バンディー;ドアのノック―ティモシー・ヘニス;子供のことば―トニー・ヘレレッツ;「私にはできない」―ハワード・ホープト;「険しく、凍てつくような恐怖」―クラレンス・フォン・ウィリアムズ ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ルナティック

3
「私は見ました。この人が犯罪を犯したのです」という声は、まさに神の声だ。この声に抵抗できるだろうか。著者は言う。自分は被告人を無罪にするために証言するのではない、と。人の記憶について話すのだと。記憶と私的なものは、完全に自分だけのものだろうか。多分違う。何かに、そして誰かに影響を受けているのだろう。無意識のうちに。そのことも自分の記憶に追加されて、新たな記憶に上塗りされるのだろうか。恐ろしい。今自分が“覚えている”と思っていることは、本当に出来事そのものなのだろうか?2017/11/13

仮面堂

3
目撃証言の危うさと記憶の不確かさ「知っていると思っていることや心の底から信じていることが必ずしも真実ではないという、真に恐怖すべき着想」を描くノンフィクション。第1部もそれなりに興味深く読めましたが、実例を挙げた第2部は上質のミステリのようでスリリングでした。特に「ドアのノック」「イワン雷帝」が印象に残りました。2014/04/13

ちくわ

2
心理学者ロフタスの経験した裁判をノンフィクションで紹介。人の記憶が、いかに脆く、変容しやすいものかを実際の事件を基に認識することができる。捜査当局も、自らの正義に従って行動していることが多いのだろう。だが、その正義が、人の記憶をゆがめ、一人の人の人生を変えることもある。裁判員裁判制度の下、日本国民は、誰でも司法に関わる可能性はある。国民全員が、一人の人の人生を扱うこともあると認識して日々を生き抜こう。かなり重たい一冊。法曹界の人は必読。2015/11/01

しんかい32

1
目撃証言の有無で、陪審員の判断はがらりと変わる。証人が確信を持っているときは、とくにそうである。ところがこの目撃証言ほど、ときとして不確かなものはないのだ―。本書は100以上の裁判で記憶の危うさについて証言した心理学者ロフタスが、そのいくつかについて語ったもの。心理学についての記述は控えめで、むしろ無実の容疑者たちをめぐる人間ドラマと、被告に有利な証拠を握りつぶしてまでも有罪にもちこもうとする検察への批判が読みどころ。第一級の犯罪小説に匹敵する面白さ。ただし、読後感はかなり重い。2010/04/09

影実

0
人の記憶のメカニズムについて著者が関った事件を題材に分かりやすく解説している。しかし物語形式で書かれており、著者の学者としての考え方などに興味のない私には余計な部分が多いように思えた。2009/07/10

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