出版社内容情報
人びとはいかに水俣病事件を明らかにしていったのか。分断された地域社会の中、近代化の果てにむき出された病苦と疎外に向きあい、抗った者たち。当事者一人ひとりの声から水俣病の諸相が浮かび上がる。石牟礼道子ら十名の講演を収録。
内容説明
人びとはいかにして水俣病の実相を明らかにしていったのか。近代化の果て、分断された地域社会の中で、むき出しにされた病苦と疎外に向きあい、寄り添い、抗いつづけた者たち。発病の記憶、医学的な解明、共同体と差別の歴史、企業や政府への闘い、魂の深い日常―当事者一人ひとりの声を通して、水俣のさまざまな姿が過去から浮かび上がる。苦闘の中から生まれた未来への証言。
目次
まなざしだけでも患者さんに(石牟礼道子)
私たち一家を襲った恐ろしい公害病(浜元二徳)
亡き人びとの声を伝えたい(吉永理巳子)
水俣病は人類の宝(原田正純)
世界の公害、日本の水俣病(宇井純)
私の水俣映画遍歴三七年(土本典昭)
水俣病と地域社会(丸山定巳)
水俣病事件は解明されたのか(富樫貞夫)
「水俣病を告発する会」の日々(松岡洋之助)
水俣の分断と重層する共同体(色川大吉)
形見の声(石牟礼道子)
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