出版社内容情報
謎のウィルスにより人類はほぼ絶滅した。生き残ったのはトビーやゼブら一握りの人々と、人造人間クレイカー、そして残忍な凶悪犯たち。ゼブは荒廃した街で兄アダムの手がかりを探す。世界を破滅させたウィルスの正体は何だったのか──時間はゼブが若き天才クレイクに出逢った日に遡る。壮大な物語はクライマックスへ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
42
まず前作を読み終えてから5年以上経っていることに驚いた。冒頭にこれまでの粗筋が書かれているのだが、少し辛口気味に感想を書いた『洪水の年』はあまり覚えていないのにやはり『オリクスとクレイク』は最後までばっちりと記憶していた。さていよいよ待ちに待った最終巻、人物の関係を把握するのに時間はかかるが、ストーリーテラーとしてのアトウッドを堪能出来ている。詳細な感想は下巻へ。2024/03/28
tom
21
わりとサラサラと読了。シリーズの三作目は、ゼブの来歴が語られる。でも、前二作でゼブがどういう役割を果たしていたのか、私には記憶がない。そんなことをブチブチ思いながら読了。それでも、刺客に追われるゼブの動きは、それなりに楽しめたのだけど。はてさて、ようやく下巻を読み始めることになる。アトウッドさん、この長いシリーズをどんなふうに決着させるのか、お手並み拝見というところで下巻につづく。2024/08/04
すーぱーじゅげむ
16
最初に前2部作のあらすじがついているものの、第2作『洪水の年』を読んでおらず、知らない登場人物が多くてつらいです。あとで読もう。中年女性のトビーが主人公。彼女が愛しているゼブの人生の物語が中心でした。人間の良い部分だけを抽出して作ったクレイカーたちがしきりと物語を求め、トビーが場当たり的に神話を作ってゆく。クレイカーが善良なまま子孫を増やして地球で生き残ることが可能なのか、よいことなのか。それなりの罪を犯して生き抜いてきたゼブ、どこかで生き残っているはずの悪質犯罪集団。どういう決着がつくのか楽しみです。2024/04/21
ハルト
10
読了:◎ MADDADDAM。マッドアダム三部作の最終作。謎のウィルスにより喪われた人類。大多数が死滅し、世界は荒廃した。ゼブはそんな世界で兄アダムを探し出そうとする。ゼブの物語であり、彼が行動することによってどのように世界が動くのかが気にかかる。そてしはたして世界は、生き残った人間たちはどのような道筋を辿るのか。下巻へ。2024/07/13
かつみす
9
3部作の最終作なので、先立つ2作は読んでおきたい(上巻の冒頭でストーリーの紹介はある)。今の世界が直面する危機を映し出した近未来小説で、〈水なし洪水〉=ウィルス感染による人類壊滅とその前後の時期が、3部作に共通する時代的背景。ほぼ同じ時期を扱っていても、視点となる主要人物を替え、重ね塗りするような手法で、変貌した世界とそこに生きる人間たちの関係の細部が立体的に現れてくる。第1作のジミー、第2作のトビーに続き、本作ではこれまで周縁的な人物であったゼブに光が当てられ、彼の波乱に富んだ前歴が詳しく語られていく。2024/04/29
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