ポール・ド・マン―言語の不可能性、倫理の可能性

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  • サイズ B6判/ページ数 192,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000247825
  • NDC分類 901
  • Cコード C0010

出版社内容情報

文学批評・哲学・思想の領域に深い影響を与えたポール・ド・マン(1919─83年).主著『読むことのアレゴリー』(1979年)を中心に,「比喩性」,「機械性」,「物質性」,「アレゴリー」という概念を読み解き,難解で知られるド・マンの理論を一貫した視点の下に提示する.日本人による初めての本格的なド・マン論.

内容説明

「比喩性」、「機械性」、「物質性」、「アレゴリー」を手がかりに、ポール・ド・マン(1919‐83年)の理論を「言語」という視点で読み解く。第一人者が書き下ろした初の本格的論考にして、ド・マンを主題にした日本人による初めての書物。

目次

第1章 比喩としての言語
第2章 言語の指示性と機械性
第3章 アレゴリーの諸相
第4章 歴史(学)という陥穽
第5章 文字の物質性
第6章 読むことの倫理に向けて

著者等紹介

土田知則[ツチダトモノリ]
1956年、長野県生まれ。1987年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在、千葉大学文学部教授。専門はフランス文学・文学理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

メルセ・ひすい

6
 ポール・ド・マンの主著『読むことのアレゴリー』を中心に、「比喩性」「機械性」「物質性」「アレゴリー」という概念を読み解く。難解で知られるド・マンの理論を一貫した視点の下に提示する。ヒリス・ミラーはド・マンに於ける倫理と「読むこと」の密接な関係に触れ、★我々は読むことができる。読むことはできるが、しかし我々は自分たちがしていることが何であるかを理解できない。つまり我々がしていることは常に常軌を逸している。「読むこと」ー「書くこと」ーは逸脱に帰することを宿命づけられている。2013/03/05

gorgeanalogue

5
著者のド・マンへの帰依ぶりに加えて、繰り返しの多い文体にいささか辟易とされる部分もなきにしもあらず。しかしそれでも比喩、機械、アレゴリー、歴史、物質、倫理の観点から整理された本書は、見通しがクリアでわかりやすい。「歴史学という陥穽」と「文字の物質性」が最も面白かった。「倫理」に関しては、やはりというかなんというかもう一つ歯切れが悪い。引用した文献だけでなく、もう少し広範な文献リストが欲しかった。2019/03/29

なっぢ@断捨離実行中

5
冒頭で「総体的にまとめるとかマジ無理なんで(意訳)」と謙虚に断ってるようにドマン思想の中心的概念『字義的解釈主義』『アレゴリー』『物質性』『美学イデオロギー』などを軸にコンパクトに解説した入門書。東浩紀やスピヴァクのデリダ本みたくドマンの思想に殉じたパフォーマティブな語り口ではないのでリーダブルではあるものの、ドマン本体に当たらなければ読むことの不可能は掴めないわけで、あくまでこの本は攻め入るための武器だ。入門書、解説書といった類がドマン(やデリダ)の思想とそもそも馴染まない点も当然考慮すべきだが。2017/03/07

燃えつきた棒

5
傍線を引き、丸で囲み、最後は付箋が林のように立ってました。難解だけれど、実に興味深い。居間の本棚の本を総入れ替えしました。デリダ、ドゥルーズ、ラカン。どこまでも関心が拡がっていく読書体験でした。2013/04/25

おちこち

5
比喩、機械、アレゴリー、歴史、物質、倫理の6つの観点からド・マンの思想を解説した本。「はじめに」や「あとがき」で著者が書いているように総体的、統一的なものを徹底的に拒絶した文学理論家をコンパクトに解説しようとした困難が伺われる。しかし、それゆえにド・マンという難解で知られる文学理論家の優れた解説書・入門書になっていると思う。「読むこととは何か」を根源的なところまで突き詰めて考えた思想を追うのは非常にスリリングでエキサイティング。2013/03/05

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