内容説明
「殺せ!」「出て行け!」といった在日韓国・朝鮮人らへのヘイトスピーチ(差別扇動)。差別をあおりたてる排外主義的なデモ。日本でいま何が起こっているのか。そこに集うのは誰なのか。差別に対抗するカウンターとは何なのか。ヘイトスピーチの規制は「表現の自由」を損なうのか。不正義とたたかうために立ちあがった著者が、その問いに答える!安田浩一・師岡康子との座談会も収録。
目次
第1章 新大久保・鶴橋から世界に広がる「日本の恥」(ヘイトスピーチの実態;きっかけ ほか)
第2章 カウンター勢力の台頭から、デモ中止へ(カウンター勢力の台頭;「しばき隊」と「プラカ隊」 ほか)
第3章 表現の自由と法規制(人種差別撤廃条約の意義;「日本に人種差別はない」? ほか)
座談会 差別へのカウンター(蔓延する「被害者意識」;在特会の前史 ほか)
著者等紹介
有田芳生[アリタヨシフ]
1952年、京都府生まれ。ジャーナリスト、参議院議員。出版社勤務を経て、フリーのジャーナリストとして活躍。2007年まで日本テレビ系の『ザ・ワイド』に出演。2010年に民主党から立候補し参議院議員となる。2013年3月には「排外・人種侮蔑デモに抗議する国会集会」を呼びかけ、ヘイトスピーチの問題に積極的に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
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kinkin
32
差別というのは個人の意識の中では絶対にないとはいえない。ただ個人が集団となり大きな力を持った時からそれはとても横暴な立ち振る舞いを始めるのではないか。人種差別を禁止することと表現の自由とは関係がないと思う。もしそれが認められてしまうと、いじめで罵声を浴びせたり恫喝することも表現の自由ということになりはしないか。ネット社会は、同調することも反対することも実に安易に出来る世界。やはり個々が物事をもう少し客観的に考えるようにしていきたい(自分も含めて)。2014/11/04
katoyann
23
ヘイトスピーチ規制法の立役者である有田芳生による「ヘイトスピーチ」の考察の書。2013年出版であり、規制法ができる以前のことが詳細に書かれている。在特会による「お散歩」と称した、鶴橋や新大久保で行われた差別扇動デモが生々しい。彼らは露店の商品を蹴り飛ばし、「死ね」という罵詈雑言を住民に浴びせた。ヘイトスピーチを「憎悪表現」と訳すのは誤りで、「差別・憎悪扇動表現」と訳すのが適切であるという。人種差別撤廃条約を批准している社会として差別扇動は許されない。後にヘイトスピーチ規制法が成立した。有田の功績だ。2022/07/09
壱萬参仟縁
15
110番通報も同類であろう。排除さえすれば事足れりなのか。そうではない。彼らは他人に丸投げして、自治能力がないのかもしれない。異質な相手、異文化、異質を排除することでは社会は多様性を受容できない窮屈な代物になる。多文化共生の道は茨の道。一時期、ヨン様とか韓流ブームがあったという同じ国で起きていることとはにわかに信じられない。混住社会の地域社会の実態からしても、異質な存在への処し方は、学校でも社会教育でもテーマとして取り上げ、どうすれば共生できるのか考える時代になっている。2013/11/25
坊っちゃん
10
★★★ 2013年刊なのでやや古くなっている部分もあるが、国会議員らしく硬派な内容となっている。「表現の自由」の権利が「ヘイトスピーチ」へ適用できるのか、まだまだ課題は多い。著者は差別主義者たちをこう言う。「自分たちは社会から虐げられているという被害者意識と、自分たちが享受すべき権利を奪ったのは「在日」だ、という妄想に突き動かされているのです」。川崎市は今年6月、ヘイトスピーチに対する刑事罰付きの条例の巣案を公表した。12月に成立を目指すという。素晴らしい事だと思う。(コメント:2019/07/12)2019/07/12
ひとまろ
8
新大久保でのデモで有名になったヘイトスピーチ。 各所で行われるデモで暴言ともとれる発言を繰り返す。 まっとうな主張もあるがそのほとんどは罵詈雑言。 読んでいてその実態に吐き気がした。 2014/03/15
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