内容説明
「状況はコントロールされています」五輪招致演説で断言した安倍晋三首相。しかし、その裏で、汚染水は漏れ続け、作業員不足が懸念され、メルトダウンした核燃料の状態すら分からない。被災者支援は遅れ、原発輸出と再稼働が進む。この国は、これほどの被害をもたらした事故を、なかったものにしようとしているのか―。厳しく問う。
目次
1 脆弱な設備
2 参院選まで隠されたデータ
3 タンクから大量漏洩
4 海洋モニタリング
5 作業員が足りない
6 骨抜きの支援法
7 東電の虚偽説明
8 過渡現象記録装置
9 「復興加速」の裏で
著者等紹介
木野龍逸[キノリュウイチ]
1966年生まれ。日本大学経済学部経済学科卒。編集プロダクションに所属後、オーストラリアの邦人向けフリーペーパー、アウトドア雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライター兼カメラマンとして活動。主に車の環境問題、次世代車、エネルギー問題、経済と環境の関係等について国内外で取材を行う。福島第一原発の事故発生後は、東京電力、政府の記者会見や福島県内での取材を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
19
記者会見の内容が、信用できない。 確認している、・・・と続いていくのみ。 大事なことを隠さないでほしいが、 特定秘密保護法ができてしまい、 どこまで出てくるかな。。 「確認する」 を連発される。 その結果、また会見で どこまで解明されるのか。 汚染水は日本までブーメラン効果の如く、 海流で戻ってくるようだ(83頁)。 おわりに に書いてあるが、 2013年8月8日、 資源エネルギー庁と規制庁の担当者のやり取りで、 無責任の体系が露呈したようだ(203頁)。 2014/04/21
coolflat
8
『検証 福島原発事故・記者会見』シリーズも3巻まで来たが、この3巻が今までで一番内容が濃い。なお本の内容は、福島第一原発事故最大の問題、汚染水問題をメインテーマにして、それに連なる作業員不足の問題、子ども被災者支援法の問題点、原発事故は津波によって引き起こされる前に、地震の揺れによって引き起こされたのではないかという、過渡現象記録装置についての解説、東電を破綻させないために、国がいよいよ除染費用を東電に代わって負担すること、除染の目安を空間線量から個人線量計の基準に変えた理由などが、つぶさに書かれている。2014/08/20
sasha
3
「確認します」「検討します」。東京電力の記者会見の決まり文句だね。質問したことの答えが返って来ないって、会見に出席した記者さんたちには相当なストレスだろうな。国会事故調にまで大嘘を吐いて、いろんなことを隠しまくって「国費」という名の税金を湯水のように使って、それでも当事者意識が希薄な東京電力って組織ってある意味凄いわ。これまででさえ十分な情報を出さなかった東電、特定秘密保護法が施行されたら原発の警備上の問題とかいってもっと情報を出さなくなるんじゃないだろうか。はぁ…。2014/07/23
os
1
三年もの間東電の記者会見に足を運び続ける著者が、度重なる粗末な対応を改めて整理する。2014/08/02