出版社内容情報
歴史や文化,人種やジェンダーを対象に数々の理論が語られながら,文学は理論の分析対象から消え去ってしまったかに見える.だが,あらゆる言説には「文学的なもの」が潜んでいるのだ.小説と国民国家,全知の語り,実践としての批評など,多様なトピックを取り上げ,文学理論のもつ豊かなパースペクティヴを浮彫りにする.
内容説明
文学研究の垣根をこえ、批評理論は広く人文学的研究の枠組みとして浸透した。だが、歴史や文化、人種やジェンダーを対象に数々の理論が語られながら、理論の視野からは急に文学それ自体が消え去ってしまったかに見える。小説と国民国家、行為遂行的なもの、過剰解釈、全知の語り、哲学の悪文など、多様なテーマを論じながら、あらためて理論と文学の再接合をはかり、「文学的なもの」に焦点をあてて、文学理論のもつ豊かなパースペクティヴを浮き彫りにする。
目次
理論(理論の中の文学;小説と国民国家;理論への抵抗)
諸概念(テクスト、その運命の転変;記号―ソシュールとデリダ、恣意性について;行為遂行的なもの;解釈―「過剰解釈」を弁護する;全知)
批評的実践(悪い文章と良い哲学;批評的著述;カルチュラル・スタディーズ;とうとう比較文学)