ふたつの戦争を生きて―ファシズムの戦争とパルチザンの戦争

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  • サイズ B6判/ページ数 272p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000246552
  • NDC分類 976
  • Cコード C0022

出版社内容情報

第二次世界大戦下、将校として派遣されたロシア戦線からの壮絶きわまりない敗走。そして生還後、無謀な戦争を強いる政府への怒りから身を投じた反ファシズム・パルチザン闘争の日々。――イタリアの作家が若い世代に向けて熱く語った自らの体験の記録。

内容説明

典型的なファシスト少年として育ったヌート・レヴェッリは、若き将校としてロシア戦線に派遣されるが、ソ連軍の攻撃の前にイタリア軍はたちまち壊滅。数百キロにわたる厳寒と飢えの退却行を経て辛くも故郷イタリアに生還したヌートは、兵士に無謀な戦争を強いるファシスト政府への怒りを胸に、パルチザン武装闘争へと身を投じてゆく―。戦後一貫して、名もなき貧しき者たちの戦争経験を掘り起こし記録しつづけてきた著者が、晩年、若い世代に向けて熱く語った自らの体験の記録。

目次

1章 ファシズム 一九二二~三九年
2章 西部戦線での戦争
3章 ギリシア=アルバニア戦線 一九四〇~四一年―モーデナ陸軍士官学校
4章 ロシア戦線イタリア派遣軍(CSIR)―山学軍団の備え
5章 第八軍(ARMIR) 一九四二年七月~一九四三年一月一六日―ロシア戦線における山岳軍団
6章 ロシアから退却と捕囚
7章 一九四三年七月二五日から九月八日まで―初期のパルチザン部隊
8章 クーネオ地域におけるパルチザン戦―第四部隊と一九四四年四月の掃討・「カルロ・ロッセッリ」旅団と一九四四年八月の掃討・フランスにおける「カルロ・ロッセッリ」旅団
9章 クーネオの解放と「解放」後

著者等紹介

レヴェッリ,ヌート[レヴェッリ,ヌート][Revelli,Nuto]
1919~2004年。著作家。イタリア軍将校としてロシア戦線に派遣され、辛くも生還した後パルチザンの指導者となる。戦後、一貫して庶民の視点から戦争についての証言の掘り起こしと記録に従事した

志村啓子[シムラケイコ]
1947年生まれ。翻訳家。東京外国語大学イタリア語学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スカイバニラ

4
ファシズムが台頭した第2次大戦時のイタリアの歴史とその当時の著者自身の体験を交えた本です。著者はイタリア陸軍「トリデンティーナ」山岳師団の将校として泥沼のロシア戦線で実戦を体験しますが、ソ連軍の攻撃によって部隊は壊滅し、イタリア本土に帰還。東部戦線での経験を契機にパルチザンとなり、ドイツ&RSI軍相手に戦います。本書はイタリア軍のヘタリアっぷりを現すエピソードに事欠かしませんが、人として正直な彼らの姿勢は、ある一面真っ当なものだと思えるようになりました。著者が伝えようとした事はまた別の事なんですがね(汗)2010/08/29

コカブ

0
著者は1919年生まれでファシスト政権下に青春を過ごし、ごく普通のファシスト青年として士官学校に入った。そこで軍とファシスト党がうまくいっていないことを感じとる。イタリア軍は東部戦線に出兵し、ソ連軍の攻勢の前に大敗北を喫する。著者はこれに従軍した。敗北が隠されていることに違和感を抱いていた著者は、ムッソリーニ政権崩壊と共に軍から抜け出してパルチザンとして活動した。ドイツ占領下でムッソリーニが復権するが、連合軍の攻勢でファシストは敗北する。しかし、元パルチザン達は「アカ」として白眼視されるのだった。2014/07/18

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