出版社内容情報
戦後を代表する冤罪事件「狭山事件」。被差別部落に生まれた、ただそれだけの理由で石川一雄は殺人犯として逮捕された。貧困ゆえの無学に苦しんだ生い立ち、三〇年に及ぶ獄中生活と部落問題への眼ざめ、仮釈放後も続く無罪を勝ち取るための闘い――その半生を辿りながら、部落差別が冤罪を生み出したことを明らかにする。
内容説明
戦後を代表する冤罪事件「狭山事件」。被差別部落に生まれた、ただそれだけの理由で石川一雄は殺人犯として逮捕された。貧困ゆえの無学に苦しんだ生い立ち、三二年に及ぶ獄中生活と部落問題への眼ざめ、仮出獄後も続く無罪を勝ち取るための闘い―その半生を辿りながら、部落差別が冤罪を生み出したことを明らかにする。
目次
第1章 狭山で生まれた少年―仕事と青春(一雄の生まれた被差別部落;誕生―父と母 ほか)
第2章 つくりあげられた「犯人」(突然の逮捕;「狭山事件」 ほか)
第3章 文字の習得と“部落解放”への目覚め―東京拘置所時代(死刑判決;文字を学ぶ―“看守さん”との出会い ほか)
第4章 労働と闘いの日々―千葉刑務所時代(上告棄却決定まで;千葉刑務所へ ほか)
第5章 「見えない手錠」をはずすまで(刑務所を出る;三二年ぶりの帰宅 ほか)
著者等紹介
黒川みどり[クロカワミドリ]
早稲田大学第一文学部日本史学専攻卒業。博士(文学)。現在、静岡大学教授。日本近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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makio37
12
翌年に東京五輪を控え、直前の別件でも犯人取り逃がしの失態を演じていた警察は焦り、被害者宅の元作男の異常な自死の後、"生きたまま"の犯人を捕まえるため被差別部落を集中的に捜索。石川一雄の無知につけ入り、微罪の数々を責め立て、大黒柱の兄が真犯人との嘘もついて「自白」に利用。10年で出すという警視との「男同士の約束」を信じた一雄。マスコミも加担した部落差別はここまで酷かったのか。一雄が文字を書けるようになり一番喜んだのが、親の名でボールペンや封筒を差し入れてくれた"看守さんの奥さん"だったという話には泣けた。2023/09/09
takao
1
狭山事件の被告2024/09/26
とも
0
部落差別と冤罪がふと気になり、狭山事件の石川一雄さんの本を読みました。 1963年の24歳時に逮捕され、1994年の出所まで31年もの収監。被差別部落を中心に犯人捜査が進み、こじつけの様な証拠で犯人とされた石川青年。冤罪という人の人生を大きく変えることの罪深さを感じる。 お父さん、お母さん、姉さんも立て続けに80年代に亡くされていますが、ご家族も心配だったと思います。2025/02/22
てじゃせ
0
★★★2024/08/13
石橋
0
再審請求が今も続いてることをこの本で知った自分が情けない。部落差別は遠い過去の話だと思っていたけど、そうじゃなかった。2023/11/05
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- 和書
- 射精道 光文社新書