出版社内容情報
最晩年の上田秋成が遺した未完の著作『春雨物語』とはどのような作品であるのか。近世小説が有する様式性からの離脱を試みた秋成晩年の分業を、作品世界の精緻な分析にもとづきながら、ひろく近世文学全体の流れの中に位置付ける。
内容説明
最晩年の上田秋成が遺した未完の著作『春雨物語』とはどのような作品であるのか。近世小説が有する様式性からの離脱を試みた秋成晩年の文業を、作品世界の精緻な分析にもとづきながら、ひろく近世文学全体の流れの中に位置付ける。秋成研究の第一人者である著者の考究を集成した待望の論文集。
目次
1(秋成文学の展開―文学的攻撃者の足跡;『春雨物語』の世界―内なる古代・内なる言葉へ)
2(「血かたびら」幻想―二人の帝王の物語;「天津処女」傍見―六歌仙の“古代”;「目ひとつの神」逍遙―“老い”からの省察;「死首の咲顔」素描―物がたりさま;「宮木が塚」越境―時代と様式からの脱皮;「妖尼公」怪説―変身とエロス;「捨石丸」札記―石と剣の物語 ほか)
著者等紹介
高田衛[タカダマモル]
1930年富山県生まれ。1953年早稲田大学第二文学部日本文学科卒業。1956年早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。1965年東京都立大学大学院文学研究科博士課程修了。立正学園女子短期大学、東京都立大学、近畿大学の教職を歴任し、現在、東京都立大学名誉教授、文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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