敗北を抱きしめて〈下〉第二次大戦後の日本人

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  • サイズ B6判/ページ数 498,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000244039
  • NDC分類 210.76
  • Cコード C0021

出版社内容情報

敗北を抱きしめながら,日本の民衆が「上からの革命」に力強く呼応したとき,改革はすでに腐触しはじめていた.天皇制を新たに作り直し,憲法を骨抜きにし,戦後改革の巻き戻しを保守派に託して,占領軍は去った.日米合作の長い「戦後」がここに始まる.

内容説明

敗北を抱きしめながら、日本の民衆が「上からの革命」に力強く呼応したとき、改革はすでに腐蝕しはじめていた。身を寄せる天皇を固く抱擁し、憲法を骨抜きにし、戦後民主改革の巻き戻しに道をつけて、占領軍は去った。日米合作の「戦後」がここに始まる。敗北からの蘇りと簒奪された改革を壮大に描いた20世紀の叙事詩、完結。ピュリツッァー賞受賞。

目次

第4部 さまざまな民主主義(くさびを打ち込む―天皇制民主主義(1)
天から途中まで降りてくる―天皇制民主主義(2)
責任を回避する―天皇制民主主義(3)
GHQが新しい国民憲章を起草する―憲法的民主主義(1)
新たなタブーを取り締まる―検閲民主主義)
第5部 さまざまな罪(勝者の裁き、敗者の裁き;負けたとき、死者になんといえばいいのか?;負けたとき、使者になんと言えばいいのか?)
第6部 さまざまな再建(成長を設計する)

著者等紹介

ダワー,ジョン[ダワー,ジョン][Dower,John W.]
1938年生まれ。アマースト大学卒業後、ハーヴァード大学で博士号取得。現在マセチューセッツ工科大学教授

三浦陽一[ミウラヨウイチ]
1955年生まれ。一橋大学大学院博士課程修了。中部大学教授。日本現代史専攻

高杉忠明[タカスギタダアキ]
1952年生まれ。慶応大学大学院博士課程修了。尚美学園大学教授。国際関係論専攻

田代泰子[タシロヤスコ]
1944年生まれ。国際基督教大学教養学部卒。翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Aya Murakami

54
図書館本。 日本国憲法が押し付け憲法になってしまった理由…。当時の日米のコミュニケーション不在も理由だったのですね。当時英国通と言われた人物でさえ自由の重要さを理解してなかったという…。欧米の技術だけ受け入れて精神は受け入れなかったつけなのかもしれない。作中でも日本のことを日本の精神はそのままで欧米技術を取り入れて出来上がったとんでもない雑種とかの表現も出てきていましたし…。2018/09/06

KAZOO

20
上巻はかなり民衆のことを書いておられたのですが、下巻は天皇制、憲法、あるいは政治的な事柄が多く書かれてています。また東京裁判についても詳しく分析されていますが、この下巻は上巻と比べて著者の本来の考え方が大きく反映されていて読む人にはかなり好き嫌いの差が出てくるのではないかと感じました。まあでも外人でこれだけの分析をできる人はあまりいないのでしょう。ライシャワー氏が生きていればどのような評価になったのでしょうか?2014/03/01

katoyann

15
敗戦直後から東京裁判、朝鮮戦争の勃発に至るまでの日本の様子を描いた歴史学の大著。ピュリッツァー賞受賞作として大変話題になった。 天皇の戦争責任への言及や憲法の作為的誤訳問題への言及があるため、民主主義の形成過程に問題を見る立場である。 一方、朝鮮戦争を契機とした再軍備化構想に見られるようなアメリカの矛盾した占領政策にも批判が向けられる。 結論として、戦後すぐに掲げられてきた非軍事化と民主主義社会構築の理想が当の日本社会で危機を迎えているという警鐘が鳴らされる。極右が跋扈する今こそ読む価値がある。2020/12/15

アヴォカド

15
私にとって戦争とその前後について考える強化月間である8月に、ギリギリ間に合った。少し前に読んだ半藤一利『昭和史』とも事実の不整合はないようだし、日本人の心情にも踏み込んで描かれ、よくぞここまで。しかし「日本人がひたすらに経済成長を追求した背景には、(略)国としての誇りを求めてやまない、敏感で傷ついた心情があった」となると、ちょっと情緒に寄り過ぎかなあとも思う。歴史は、情と理との両輪で分析しないといけないね。2019/08/30

ほっそ

13
私自身の率直な感想・・・・・敗北を抱きしめていた人たちに、私は育てられたんだ!物心ついた時には、高度成長時代でしたが、子供のころのことをよく思い出しました。写真やその当時の風俗がわかるものも多数収録されていました。がりがりにやせていた日本人たち。戦争中からずっと、飢えとの戦いだったこと、改めて感じました。2010/08/24

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