日本の環境思想の基層―人文知からの問い

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  • サイズ A5判/ページ数 320p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000242905
  • NDC分類 519.21
  • Cコード C0020

出版社内容情報

環境と人間との関わりの根底には,環境をどのように認識してきたかという問いがあり,そしてその土地には人間のいとなみで築かれてきた歴史的な基層があることを忘れてはならない.本書は日本の環境思想の系譜をたどり,新しい時代の環境思想を再検討するため,異分野を超えて協働する人文知からの問い直しを試みる.

内容説明

人間は自分の生きる環境をどのように認識してきたのか。それを問うときに、その土地にそれまでのいとなみで関係が築かれてきた歴史的な基層があることを忘れてはならない。日本の環境思想の系譜をたどり、新しい時代の環境思想を再検討するため、異分野を超えて協働する人文知からの問い直しを試みる。

目次

災害をめぐる環境思想
第1部 自然の思想(「空間の履歴」から読みかえる環境思想―「安全神話」の真実;日本の自然暦と環境観;概念から実体へ―絵俳書『山の幸』の位置から、子規に説き及ぶ;近代日本の自然観―記念樹をめぐる思想とその背景)
第2部 生業の思想(生業の古代中世史と自然観の変遷;食と農の環境思想;生業と供養思想―資源管理と持続的な利用)
第3部 供養の思想(供養の概念について―南アジアと東アジアの比較;反・供養論―動物を「殺す」ことは罪か?;虫送りの生命観―日中の棲み分け共生思想;入らず之山と鎮守の森―もうひとつの環境思想としての民俗知)
日本の環境思想が問いかけるもの

著者等紹介

秋道智彌[アキミチトモヤ]
1946年京都市生。総合地球環境学研究所教授。生態人類学。理学博士。京都大学理学部動物学科、東京大学大学院理学系研究科人類学修士課程修了、同博士課程単位修得。国立民族学博物館民族文化研究部長、総合研究大学院大学先導科学研究科客員教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ハチアカデミー

5
B+ 3.11の震災後、環境思想をどのように読み替えることができるのか。「自然」「生業」「供養」という三つのテーマから、日本と世界の環境への眼差しを論じた一冊。殺生を人間が生きていく上で不可欠なものととらえつつ、それをどのように「しかたのないこと」として克服していくのかを論じた管豊氏の論文が特に印象に残った。また「想定外」を近代的精神が作り上げたものと断じ、近代が目を背けてきた人知を超える力とそれを恐れる心を「空間」から読み解いた桑子氏の論考にも目を開かされる。そして、震災後の学問を考える「序章」が秀逸!2012/04/24

skk1206

0
序章 災害をめぐる環境思想(秋道智彌) 第1部 自然の思想  1「空間の履歴」から読みかえる環境思想(桑子敏雄)  2 日本の自然暦と環境観(中牧弘允) 3 概念から実体へ(井田太郎)  4 近代日本の自然観(岡本貴久子) 第2部 生業の思想  5 生業の古代中世史と自然観の変遷(井原今朝男)  6 食と農の環境思想(佐藤洋一郎)  7 生業と供養思想(湯本貴和) 2016/08/18

志村真幸

0
 歴史学、文学、民俗学など多様な分野の研究者による11篇の論文が収録されている。  湯本貴和「生業と供養思想-資源管理と持続的な利用」は、日本の生物多様性と生業の多様さがみごとに結び合わされており、勉強になる。管豊「反・供養論-動物を「殺す」ことは罪か」は、綿密な調査から紹介される事例が興味深いのみならず、きわめて鋭利な問いが投げかけられており、考えさせられる。小松和彦「入らずの森と鎮守の森-もうひとつの環境思想としての民俗知」は、森との人間の距離感を再考させてくれる。2021/07/10

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