出版社内容情報
環境と人間との関わりの根底には,環境をどのように認識してきたかという問いがあり,そしてその土地には人間のいとなみで築かれてきた歴史的な基層があることを忘れてはならない.本書は日本の環境思想の系譜をたどり,新しい時代の環境思想を再検討するため,異分野を超えて協働する人文知からの問い直しを試みる.
内容説明
人間は自分の生きる環境をどのように認識してきたのか。それを問うときに、その土地にそれまでのいとなみで関係が築かれてきた歴史的な基層があることを忘れてはならない。日本の環境思想の系譜をたどり、新しい時代の環境思想を再検討するため、異分野を超えて協働する人文知からの問い直しを試みる。
目次
災害をめぐる環境思想
第1部 自然の思想(「空間の履歴」から読みかえる環境思想―「安全神話」の真実;日本の自然暦と環境観;概念から実体へ―絵俳書『山の幸』の位置から、子規に説き及ぶ;近代日本の自然観―記念樹をめぐる思想とその背景)
第2部 生業の思想(生業の古代中世史と自然観の変遷;食と農の環境思想;生業と供養思想―資源管理と持続的な利用)
第3部 供養の思想(供養の概念について―南アジアと東アジアの比較;反・供養論―動物を「殺す」ことは罪か?;虫送りの生命観―日中の棲み分け共生思想;入らず之山と鎮守の森―もうひとつの環境思想としての民俗知)
日本の環境思想が問いかけるもの
著者等紹介
秋道智彌[アキミチトモヤ]
1946年京都市生。総合地球環境学研究所教授。生態人類学。理学博士。京都大学理学部動物学科、東京大学大学院理学系研究科人類学修士課程修了、同博士課程単位修得。国立民族学博物館民族文化研究部長、総合研究大学院大学先導科学研究科客員教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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