出版社内容情報
冷戦の起源は、実は「大日本帝国」崩壊後の空間をめぐる米ソ英中の地政学的なせめぎあいの中にあった――第二次大戦後の東アジアから始まった冷戦がグローバル化していく過程と、その冷戦構造が日本政治に「内部化」され、最終的に五五年体制が成立するまでの過程とを、旧ソ連の膨大な史料を駆使しながら鮮やかに描き出す。
内容説明
冷戦の起源は、「大日本帝国」崩壊後の空間をめぐる米ソ英中の地政学的なせめぎあいの中にこそあった―第二次大戦後の東アジアから始まった冷戦がグローバル化していく過程と、その冷戦構造が日本政治に「内部化」され、最終的に五五年体制が成立するまでの過程とを、旧ソ連の膨大な史料を駆使しながら鮮やかに描き出す。
目次
第1章 日本占領と冷戦の起源
第2章 日本管理、東欧管理、核管理
第3章 冷戦のなかの日本(一九四六‐一九五〇年)
第4章 同盟・戦争と講和
第5章 日本共産党とアジア冷戦
第6章 五五年体制への道―冷戦の再編成
著者等紹介
下斗米伸夫[シモトマイノブオ]
1948年、北海道に生まれる。東京大学大学院法学政治学研究科修了、成蹊大学教授を経て、法政大学法学部教授。主要著書に『アジア冷戦史』(2004年、中公新書、アジア太平洋賞特別賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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coolflat
19
日本はなぜ米国の単独占領だったのか。そもそも日本は米国だけが占領したのではない。連合国の要請もあって対日参戦したソ連が、千島、朝鮮半島北部などを占領していたのである。それならばドイツのように分割占領になるはずである。しかしそうはならなかった。それはソ連の核開発に理由がある。当時、ソ連国内では核開発に必要なウランがほとんどとれなかった。スターリンはソ連が占領していた地域でのウラン獲得、東欧ではブルガリア、ルーマニア、極東では北朝鮮を最優先するために、対日利益を捨ててまで米国と取引する必要があったのである。2019/11/04
鍵窪錠太郎
1
一般的な戦後~55年体制の本は五百旗頭真「日米戦争と戦後日本 (講談社学術文庫)」辺りが明るいだろうけれど、同じ時代を別の方向から捉えた一冊。世界史的にはソ連は核爆弾開発の為のウランを求めてアジアよりも東欧重視、東欧重視で東アジアに力を割けないソ連はリスクを負っても中国共産党と役割分担、スターリン批判で揺れる各国共産党。日本史的には日本共産党内の派閥争い、中ソ共産党との関係。個人的課題として戦前日本共産党、欧州の共産党、スターリン批判の知識不足。知識が無い時代の濃い歴史を理解し切れたかが怪しい。2017/03/13
midnightbluesky
1
戦後の緊迫した政治状況の詳細が。今ではとても考えられないことなんだけれども。2012/06/25
メルセ・ひすい
1
15-140 文部省科研費 基礎研究「冷戦史の再検討」『アジア冷戦史』 『モスクワと金日成』…核の地政学 日本占領をめぐる米ソ関係 中華人民共和国と中ソ同盟 朝鮮半島危機 日本共産党とアジア冷戦 サンフランシスコ条約後の日本共産党 スターリン批判とアジア 冷戦の起源は東アジアをめぐる「大日本帝国」崩壊後の空間をめぐる米ソ英中のせめぎ合いの中にあった。東アジア冷戦のグローバル化と、その冷戦構造が日本政治に「内部化」され、55年体制が成立するまでの過程を、旧ソ連の膨大な史料を駆使して描く。2012/02/21
GA
0
難しかった、、、。2012/09/20
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- 和書
- 心の旅、永遠に