出版社内容情報
米兵による強姦や暴行の被害者が裁きを求めて得られないのは、なぜなのか――。徹底取材で明らかになった日米密約とその関連文書に隠されていた数々の巧妙なトリック。現代の治外法権を若手ジャーナリストが追う。
内容説明
なぜ米兵の犯罪は裁かれないのか。強姦や暴行の被害者が裁きを求めて得られないのは、なぜなのか―。徹底取材で明らかになった日米密約とその関連文書には、米兵犯罪を日本で裁かせないようにするための数々の巧妙なトリックと日米両政府の申し合わせが隠されていた。気鋭の若手ジャーナリストが現代の治外法権を追う。
目次
第1章 密約が人を踏みにじる
第2章 地位協定の虚構と闇
第3章 米側裁判権を最大化するカラクリの数々
第4章 返されない沖縄
第5章 日米安保と密約
資料 日米合同委員会刑事裁判管轄権分科委員会において合意された事項
著者等紹介
布施祐仁[フセユウジン]
ジャーナリスト。1976年、東京都生まれ。現在、『平和新聞』編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かじやん0514
4
平和運動の先輩が書いた本。とにかく、日米安保体制は秘密だらけ。読みやすいので、日米安保の実態を知るための良い入門書となっている。2015/02/18
nagoyan
2
良。米兵犯罪について日本政府が公式の地位協定のほかに、裁判権を放棄した密約をしていたというもの。著者は一連の安保密約の先例になった可能性を示唆する。著者は米軍の特権維持への執念にも批判の目を向けるが、国民を欺き、犯罪被害者に冷淡な政府へいっそうの非難のまなざしをむける。歴史叙述は冷静でありながら、被害者の心情面にも踏み込みバランスがとれており、好感がもてる。2010/05/07
akinbo511
1
ニュースで聞くのは沖縄ばかりだけど、ほかの地域の基地周辺でも悲惨な事件が起き、まともに裁かれていない。何十年も前から、米兵犯罪者の扱いが変わってないことにショックを受けた。沖縄の大学に米軍ヘリが墜落した後の米軍側の身勝手な行動にはあきれ、信じられない!と思った。 2012/12/24