ちくま学芸文庫<br> 三島由紀夫 薔薇のバロキスム

個数:
電子版価格
¥1,100
  • 電子版あり

ちくま学芸文庫
三島由紀夫 薔薇のバロキスム

  • ウェブストアに1冊在庫がございます。(2025年05月24日 21時11分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 文庫判/ページ数 256p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480511805
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0170

出版社内容情報

内面と外面、精神と肉体、美しい無智者と醜い智者といった対比、作品を豊かに彩る植物的イメージを自在に横断しながら、それらすべてが壮絶な自死へと収束されていく過程を詳らかにする、スリリングかつ斬新な三島論。文庫書き下ろし!

===

内と外という二元論を危うくする薔薇の花弁、腹からこぼれ出る腸の美しさ──皮膚や表層にこだわり続けてきた美学者である著者は、「内部へ出る」ことにより逆説的に肯定される表面にこそ、三島独自の美意識すなわちバロキスムが賭けられていると見る。薔薇や松をはじめ作品を彩るさまざまな植物的イメージに注目しつつ、『憂国』、『豊饒の海』などのテキストにわけ入り、自死への過程をまったく新たな視点で解き明かす、珠玉の三島論。文庫書き下ろし!

===

スリリングかつ斬新!
独自の美意識をその死から逆照射する
ちくま文庫オリジナル

===

【目次】
序 昭和四十五年十一月二十五日 
Ⅰ 映画『憂国』と音楽  
Ⅱ 外面と内面  
Ⅲ ヘレニズム・バロック
Ⅳ 薔薇狂い
Ⅴ 薔薇のバロキスム
Ⅵ 美しい無智者と醜い智者
Ⅶ 肉体の論理とその逆説 
Ⅷ 「存在の劇」 谷崎潤一郎VS三島由紀夫  
Ⅸ 死の太陽
Ⅹ 三島由紀夫のフローラ  
? 松へのこだわり
? 死の様式
XIII 「動態」としての文化とその座標軸
XIV 庭と海  
結 「お祝いには赤い薔薇を」 
あとがき 

内容説明

内と外という二元論を危うくする薔薇の花弁、腹からこぼれ出る腸の美しさ―皮膚や表層にこだわり続けてきた美学者である著者は、「内部へ出る」ことにより逆説的に肯定される表面にこそ、三島独自の美意識すなわちバロキスムが賭けられていると見る。内面と外面、精神と肉体、素顔と仮面、美しい無智者と醜い智者といった対比、そして薔薇のみならず作品を豊かに彩るさまざまな植物的イメージを自在に横断しながら、それらすべてが昭和45(1970)年11月25日の壮絶な自死へと収束されていく過程を詳らかにたどる、スリリングかつ斬新な三島論。文庫書き下ろし!

目次

序 昭和四十五年十一月二十五日
1 映画『憂国』と音楽
2 外面と内面
3 ヘレニズム・バロック
4 薔薇狂い
5 薔薇のバロキスム
6 美しい無智者と醜い智者
7 肉体の論理とその逆説
8 「存在の劇」谷崎潤一郎VS三島由紀夫
9 死の太陽
10 三島由紀夫のフローラ
11 松へのこだわり
12 死の様式
13 「動態」としての文化とその座標軸
14 庭と海
結 「お祝いには赤い薔薇を」

著者等紹介

谷川渥[タニガワアツシ]
美学者、批評家。文学博士。東京大学大学院美学芸術学専攻博士課程修了。國學院大學文学部教授、杭州師範大学客座教授、京都精華大学客員教授などを歴任。日本近代芸術史の諸問題を踏まえながら、マニエリスム・バロックからモダニズム・現代美術にいたる広範な領域を視野に収め、多様な“美的表象”を渉猟、美学と批評を架橋する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

70
作品論ではなく総体としての三島由紀夫を追求した評論。様々なキーワードを元に三島というものを追求しているのだが、特に面白かったのが薔薇に代表されるバロキシスムと内面より外面に主を置いた思想。そして映画『憂国』から自死に至るまで。三島の内面と外面の対比というのはボディビル偏愛やナルシシズムに満ちた写真などから多くの人が言及しているけど、著者のように薔薇の花弁であったり流れ出す血であったり、希臘の彫像であったりというものを手掛かりにそれを追求していくのは極めて読み応えがある。三島作品にもう一度挑みたくなる一冊。2023/11/11

佐島楓

70
三島は、自分自身を作品としてデザインしようと生涯追求していたひとだったのかもしれない。その結果があの自決だった。遺された作品はわたしが思っていた以上に雄弁である。『鏡子の家』は読み返さないといけないかな。2023/05/25

kana0202

4
三島の熱心な読者ではないが、このテマテイックな読みを展開する評論はおもしろい。読ませる。三島を久しぶりに読もうと思った。植物についての部分が特に面白かった。日本の植物は、松か。バロック的なものを見出すことは結構他の小説家にも当てはまりそうな気もする。文章の力でどれだけ読ませることができるかが、テマテイックだけに限らず、批評では重要で、その点この本は非常に普通の文章で、そこそこ、読ませる。ど 三島の同時代人だからこそかも。2023/06/23

スリルショー

2
そういえば、三島由紀夫の作品にはよく薔薇が登場するなぁ。あまり意識したことがなかった。内面(精神)と外面(肉体)の問題を仮面や耽美的な箇所から作品を読み解いている。死を美化し、死ぬことで究極の存在証明をしたこの作家の類いまれな才能の帰趨をこの一冊で堪能することができ、三島由紀夫の作品が好きな方におすすめの一冊。しかし、現代の死より生が尊ばれる時代にこの本の中に盛り込まれた思想は、あまりにも素っ頓狂で気でも違ったのかと思われるだろうが、あまりにも今の時代が偽善と詐術に満ちたとも言えるのかもしれない。2023/07/03

蛙坂須美(アサカスミ)

1
三島由紀夫リレーその1 序章2024/02/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21130762
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。

最近チェックした商品