内容説明
「内心の自由」はどこまで保障されるべきか。「信教の自由」や「思想・良心の自由」をめぐる膨大な裁判例を、三段階審査などを用いて整理・分析し、新たな審査手法を開拓。研究・実務のさらなる発展に大きく寄与する論文集。
目次
本書の関心・対象・考察方法
第1部 ドイツにおける信教の自由と国家の宗教的中立性の「緊張関係」―文化的多様性を背景とした事例から(ドイツにおけるイスラーム教徒の教師のスカーフ事件;連邦憲法裁判所第2法廷判決の検討;私人間における信教の自由―もう一つの「イスラームのスカーフ」事件が問いかけるもの)
第2部 現代日本における「思想・良心の自由」―「君が代」訴訟と「団体と個人」をめぐる事例から(「君が代」訴訟の分析視角―近年における議論の出発点の確認;公教育における「君が代」と教師の「思想・良心の自由」―ピアノ伴奏拒否事件と予防訴訟を素材として;職務命令と思想・良心の自由―「君が代」ピアノ伴奏拒否事件最高裁判決 ほか)
第3部 現代日本における信教の自由と政教分離―その保障の諸相(「思想・良心の自由」と「信教の自由」―判例法理の比較検討から;行政裁量審査の内と外―エホバの証人剣道受講拒否事件と「君が代」訴訟懲戒処分事件を素材として;「ムスリム監視捜査事件」の憲法学的考察―警察による個人情報の収集・保管・利用の統制 ほか)
残された課題
著者等紹介
渡辺康行[ワタナベヤスユキ]
1957年生まれ。一橋大学大学院法学研究科教授。憲法学。東北大学法学部卒業。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了(法学博士)。千葉大学法経学部教授。九州大学大学院法学研究院教授などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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