出版社内容情報
獄中から無実を訴え続け昨年死去した奥西勝氏の捜査段階の自白を、供述分析の第一人者が心理学の視点から鑑定する。
内容説明
一九六一年、小さな村の懇親会でぶどう酒を飲んだ女性五人が死亡した。被告人の無罪と死刑を分けたのは「自白の信用性」判断。供述分析の第一人者が「無知の暴露」「供述の起源」「逆行的構成」など、心理学的視点から自白を分析する。
目次
プロローグ
序章 無罪からの逆転死刑
第1章 事件と自白と証拠―供述分析の視点から捉え直す
第2章 自白への転落過程(三月二九日~四月三日)―勝はどのようにして自白に落ち、自白調書を取られたのか
第3章 自白の展開過程(四月三日~二三日)―勝は自白のなかで犯行の動機、計画、準備、実行をどのように語ったのか
第4章 補強証拠の破綻―勝の自白は補強証拠によってほんとうに補強されたのか
第5章 自白撤回後の弁明(四月二四日~)―勝は自らの自白をどのように弁明したのか
エピローグ 「ことばの迷宮」のなかから―自白の罠はなぜ解かれなかったのか
著者等紹介
浜田寿美男[ハマダスミオ]
1947年、香川県生まれ。京都大学文学部哲学科(心理学専攻)卒業。同大大学院文学研究科博士課程(心理学専攻)修了。花園大学社会福祉学部教授、奈良女子大学文学部教授を経て、奈良女子大学名誉教授、立命館大学特別招聘教授。「法と心理学会」理事長を務める(2000~2006年)。専攻は発達心理学、法心理学および供述分析。また、甲山事件、狭山事件など多くの裁判において供述鑑定をおこなっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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