感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
帽子を編みます
47
C・S・ルイスの評伝、ルイスの誕生から死まで、数々のエピソードから描きます。オックスフォードのフェローであった彼の学究生活、有名なインクリングズのこと、どれも興味深い話が続きます。彼の家族、亡くなった母、精神的に頼れない父、良き仲間であった兄(ただし父と同様にアルコール依存症)、第二の母となった戦友の家族。宗教家としての活動、ジョイとの出会い、そして別れ。彼本人も濃密な人生でした。彼の著作、特に『ナルニア国〜』『別世界物語』は読み直してみたいです。2025/05/11
壱萬参仟縁
17
ジャックは入念に推敲した、真摯な姿勢 のうかがわれるエッセーで、会社の従業員 の集まる読書会で発表していた(8頁)。 そんな学会報告さながらの、緊張感ある 読書会も魅力がある。 アニー・ハーパーという名の家庭教師が ジャック・ルイスに勉強を教えにくるように なったが、家庭教師としてはわるくなかった と書いており、好意を持っていた (21頁)。 こういう関係でないと、成績上がらず、 入試も合格しにくいと思われる。 ジャックは旺盛な読書欲を示し、 独学者の道を歩みだしていた(45頁)。 2014/06/17
ぱちゃりんと
1
結構ダメなところもある人。だから欠点もあって、矛盾も抱えてて、親友のトールキンのように完璧じゃなく、教授にはとうとうなれなくて、ずっとフェローだった。この本を読んで、ナルニア国物語がトールキンの中つ国のように完璧でないのが、この人らしさなんだと思うと、それもありかな。それにしても、戦死した友人の母と妹を養い、母親が80代で死ぬまで同居し、彼女にこき使われ、大学で研究を続けながらナルニア国物語を書いてたんだね。信じられん。残りの人生は映画になったくらいドラマチック・・・2011/12/07