内容説明
60年にわたる歴代政権の憲法解釈を逸脱し、集団的自衛権の行使を可能にしようとする安倍政権。その違憲性を証明すべく、早大の人気教授であり全国憲法研究会代表の著者が、法の論理と軍事の知識で「現実態」を詳しく分析解説するライブ感たっぷりの白熱講義!「7・1閣議決定」「安保法制懇報告書」「政府の15事例」の主な論点に即し、過去の重要な答弁や資料を内在的に一つ一つ引証して、論拠を徹底的に突き崩す。
目次
1限目 憲法と平和を考える「モノ」語り―集団的自衛権行使による死傷者、その家族の痛みを想像したことがありますか?
2限目 集団的自衛権行使が憲法上認められない理由―憲法解釈論から考える
3限目 集団的自衛権の事例を徹底分析―集団的自衛権行使はいかなる「結果」をもたらすか
4限目 集団的自衛権行使以外の「武力の行使」に関わる問題
5限目 いわゆる「グレーゾーン」の問題
6限目 憲法政策としての「武力なき平和」
著者等紹介
水島朝穂[ミズシマアサホ]
1953年4月3日、東京都生まれ。札幌学院大学助教授、広島大学助教授を経て、96年より早稲田大学法学部教授(後に法学学術院教授)。憲法・法政策論。博士(法学)。全国憲法研究会代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
29
日本国憲法には、この国の過去を踏まえながら未来を見通した様々なメッセージが包み込まれている。再発見、読解することは、過去の人から現在を生きる者一人ひとりに託された、将来のためにとても大切なこと(ⅷ頁)。市民には、素朴な疑の心を大切にして問い続けること、偽装を見抜く知恵と技を磨くことが求められている(8頁)。安倍首相は壊憲の鉄砲玉(21頁)との揶揄は御意。憲法違反のオンパレードなので。集団的自衛権の説明は54頁の図で理解される。2016/02/11
zumi
11
必読。一連の議論が如何なる根拠のもとで繰り広げられていたかを知り、様々な法・軍事知識・判例を用いて鋭い論理を教授してくれる一冊。驚きと発見の憲法学、これは面白い。もう一度読む。2015/10/16
coolflat
10
現在行われている安保関連法案の議論の殆どの解答はは本書によって導き出される。個人的に知らなかった点について。安倍はさも世界で自衛隊しか駆けつけ警護ができないような言い方をしているが、本書によると米軍もカナダ軍も「交戦規則」で特に認めていなければ、駆けつけ警護はできないとの事だ。米軍もカナダ軍も現場の軍人の判断で駆けつけ警護をする事ができないと言う。安保関連法案の議論で度々散見されるが、安倍らはそういう事実をひた隠しにする事で、日本だけが特別であるかのような言い回しをする。よくよく注意しておかねばならない。2015/08/02
yo yoshimata
4
戦争法の全体像と問題点を、具体的につかむための必読文献だと思いました(法案提出前のものですが)。憲法と現実を行き来し、7.1閣議決定後の安倍政権の異常さを浮き彫りにしています。繰り返し立ち返りたい一冊です。2015/12/20
樋口佳之
4
国民国家に主張できる自然権などありえない。法学学んだ人には当たり前なのかも知れないけど、目から鱗が落ちる思い。2015/07/21
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