内容説明
戦後の混乱で朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に残された日本人、里帰りを果たせぬ日本人妻、植民地支配の傷跡の数々―。いまだ国交のない隣国との関係を、日本政府は歴史の清算もせず、断絶するかの方向に舵を切って来た。しかし、両国には切ることのできない絆がある。四〇回におよぶ訪朝取材をもとに、貴重な写真とルポで、朝鮮に残る“日本”を照射する。困難な朝鮮での取材の裏側なども報告。
目次
第1部 閉ざされる日朝の“絆”(断絶された在日と祖国の絆―「疑惑の船」の実像;支援した食糧は「軍事利用」?―日本による支援のゆくえ;力道山が贈ったベンツから見つけたお宝)
第2部 消される歴史の“爪痕”(「靖国」から返還された文化財;「消耗品」にされた朝鮮人労働者―日本支配下の巨大コンビナート建設;無念のままに―消されゆく被害の記憶)
第3部 朝鮮の中の“日本人”(朝鮮に眠り続ける骨―日本人遺骨は語る;最後の朝鮮残留日本人;果たせぬ里帰りと五八年ぶりの再会)
著者等紹介
伊藤孝司[イトウタカシ]
1952年長野県生まれ。フォトジャーナリスト。(社)日本写真家協会会員。日本ジャーナリスト会議会員。日本の過去と現在を、アジアの民衆の視点から捉えようとしてきた。アジア太平洋戦争で日本によって被害を受けたアジアの人々、日本がかかわるアジアでの大規模な環境破壊を取材し、雑誌・テレビなどで発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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wasabi
9
朝鮮(北朝鮮)についての情報がきわめて乏しい。歴史は学べる。現在の日朝問題は連日報じられる。しかし、朝鮮の市井の人びとの暮らしについては、勝手な想像の域を出ない。ここに知る朝鮮の人びとは、そこに暮らすこととなった残留日本人や日本人妻に対して温かい。豊かさはとらえ方によるが、親族が支えあい幸せそうだ。写真で見る朝鮮の人びとの表情からは、その心根の優しさを窺い知ることができる。朝鮮半島と日本との問題はかねてより本書にあるとおりだと心に留めている。“半島を分断したのは米ソでも、その端緒は日本の植民地支配にある”2019/09/04
桜花
1
今も北朝鮮に残留日本人や日本人妻がいるんですね。 でも住んでいる世界が違いすぎて奉仕しようとしたりする気持ちがあまりよくわかりませんでした。 それに筆者は安倍政権に批判的みたい。2019/06/22
takao
0
ふむ2021/11/07
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