出版社内容情報
文化大革命のトラウマと天安門事件のダメージを抱えつつ,高度経済成長に突き進む中国社会の数奇な変遷を,1980年代の映画に読み解く画期的論考.かの人々の姿は,戦後の日本民衆の映画熱に重なる.映画に何を求めたのか,何が描かれたのか? イデオロギーを超えた果てにみる人々の欲望とその代償について,膨大な一次資料から迫る.
内容説明
文化大革命のトラウマと天安門事件のダメージを抱えつつ、高度経済成長に突き進む中国社会の数奇な変遷を、一九八〇年代の映画に読み解く画期的論考。かの人々の姿は、戦後の日本民衆の映画熱に重なる。映画に何を求めたのか、何が描かれたのか?イデオロギーを超えた果てにみる人々の欲望とその代償について、膨大な一次資料から迫る。
目次
第1章 文革から〓(とう)小平時代へ―忌わしい記憶からの解放(忘却への欲望 トラウマの回帰―文化大革命の映画表象;〓(とう)小平時代の映画表象―改革開放と「改革映画」)
第2章 “外部”へのまなざし―限られた情報からのインスピレーション(踊る若者たち―民衆のダンス・ブームと「文化翻訳」;中国的ヌーヴェル・ヴァーグの到来―第四世代映画人による「文化翻訳」)
第3章 製作、流通、検閲―中国映画を支えるもの、妨げるもの(中国映画の製作、流通の歴史;映画検閲の仕組みと実態;レーティング・システムと「成人映画」)
第4章 スターの誕生―改革開放後における物神としての女優(時代の欲望の体現者―劉暁慶;異質性から同質性へ―ジョアン・チェン(陳沖))
著者等紹介
劉文兵[リュウブンペイ]
1967年中国山東省生まれ。東京大学大学院総合文化研究科(表象文化論)博士課程修了、博士(学術)。現在、映画専門大学院大学客員准教授、および東京大学大学院学術研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。