出版社内容情報
消滅の危機に瀕する小言語・小文化は今日も地球上に増え続けている。大言語・大文化がもたらす利便性を捨ててでもみずからの言語と文化を守る意味は何か。18世紀末から19世紀前半にチェコで繰り広げられた格闘の軌跡。
目次
言語と文化の衰滅―小民族のジレンマ
1 チェコ民族再生運動の前提と歴史(チェコ民族再生運動の前提―チェコ人とチェコ語の存在についての懸念;チェコ民族再生運動の歴史―チェコ語とチェコ民族の再創造)
2 チェコ民族再生運動期の文化と表象(チェコ民族再生運動期の文化―チェコ文化の再創造;チェコ民族再生運動期の表象―民族と祖国およびその起源についての主題と変奏)
3 チェコ人とスラヴ人(チェコ民族再生運動とスラヴ主義および汎スラヴ主義―アイデンティティの範囲とレベル;チェコ民族再生運動とソルブ人―言語・文化の保存における成功と難渋)
4 チェコ民族再生運動とチェコ・ナショナリズム(トマーシュ・マサリクにおける小民族の問題―精神的な「小ささ」の克服;ベルナルト・ボルザノとヤン・パトチカにおけるナショナリズムの問題―ナショナリズム超克の試み;小民族の存在と世界の多様性―多様性の尊重;チェコ民族再生運動観の変遷―チェコ民族再生運動研究史概観)
著者等紹介
石川達夫[イシカワタツオ]
1956年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。プラハ・カレル大学留学後、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)(東京大学・論文博士)。現在、神戸大学大学院・国際文化学研究科教授。スラヴ文化論専攻。著書『マサリクとチェコの精神』(成文社、1995年。サントリー学芸賞・木村彰一賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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