漱石先生からの手紙―寅彦・豊隆・三重吉

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  • サイズ B6判/ページ数 207p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000237147
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

内容説明

「文豪」夏目漱石が、個性あふれる弟子たちの「先生」としてどのような関わりを築いていったか。若き寺田寅彦、小宮豊隆、鈴木三重吉あての手紙を軸にその類い稀な交情交歓のさまを描き、いたわり励まし叱る「漱石先生」の真の優しさを浮き彫りにする。人間関係が希薄化に向かうとも見える現代に、本書は限りない示唆を与えよう。

目次

寺田寅彦の章―漱石山房の草分け(俳句入門―五高(熊本)時代
清閑の時―子規とのこと
漱石先生帰朝、訪問頻繁となる ほか)
小宮豊隆の章―先生に最も愛された人(漱石門二期生の代表格;「又来る時は大に弁じ給え」;「先生にして友達なるもの」 ほか)
鈴木三重吉の章―木曜会のだだっ子(「箪笥を一つ奢ってくれませんか」;「金やん、金やん」;敬慕あふれる三重吉の「一大手紙」 ほか)

著者等紹介

小山文雄[コヤマフミオ]
1926年東京に生まれる。1948年東京高等師範学校卒業。同年より1973年まで神奈川県立湘南高等学校教諭。ついで横浜日野高等学校教頭、野庭高等学校教頭および校長、藤沢市教育長、神奈川近代文学館参与、大正大学講師などを歴任。現在、神奈川近代文学館評議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Kaorie

14
どれも別の本で読んだエピソードだが(「先生と僕」とか)、夏目先生と寺田さん、小宮さん、三重吉とのそれぞれのやり取りを集約した物を読むと、門下3人の関係を羨ましいとすら思う。小宮さんは先生、寺田さん、三重吉それぞれに深い愛情を持って、寄り添うようにして見ている気がする。上手くまとまった良書。ただ寒月先生の名前が「淡島寒月」になっててちょっとガッカリ。「水島」ですよ、「水島」2014/04/08

猫丸

12
寺田寅彦、小宮豊隆、鈴木三重吉の三人に絞って先生との交流をなぞる。木曜会メンバーは個性派揃いだから、その中に自己と同一視できるキャラがいるはず。優等生タイプなら小宮、破天荒なヤサグレ型は森田、情にもろい感覚派は三重吉、理系純情派は寅彦、貴族的我関せずなら東洋城。そのほか直情径行の詩人子規、バンカラ親分肌の中村是公、抽象思考に遊ぶ米山保三郎もいる。もちろん松岡の誠実な愛に応えた娘筆子、細事にこだわらず肝っ玉の据わった妻鏡子を選んでもよい。これらすべての人々を魅了した漱石先生の懐は無限に深い。2021/05/18

芳樹

2
寅彦、豊隆、三重吉を章に分けて書かれているので違いが解りやすい。弟子各々の性格を見極め適切な対応をしている漱石は凄い人だと思う。同時に師としてだけではなく、お互いを思いやる心が手紙には惜しみ無く書き出されているので人柄や関係を知るのに最適。「漱石先生からの手紙」と言う題ではあるが、手紙以外の引用や弟子同士の印象も書かれているので、その点でも面白く読めた。2014/04/04

そとは夕焼け

1
寅彦と先生の関係のあり方が一番憧れる。先生の上っ面でない心がこもった接し方は見習いたい。先生の手紙のユーモアも面白く、三重吉へのユーモアと叱咤激励をうまく交えた手紙は先生の人となりが出ていて素晴らしいと思う。2012/03/07

れい

0
漱石門下の三人と漱石とのやりとりを手紙から浮き彫りにする本。これ単独でも十分面白いけど、「先生と僕 夏目漱石を囲む人々」と併せて読むともっと面白い。コミックスだけど。2013/07/14

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