内容説明
文革のさなかの一九七二年、山東省の漢墓から数種類の兵書が出土した。なかでも孫子兵法の二種の竹簡は、それまでその存在すら謎だった孫武・孫〓(ひん)のこと、孫子兵法テキストの成立事情を明らかにする世紀の発見だった。さらに、出土が契機となって、二人の孫子のふるさとや墓地の場所が特定されていったり、孫子の族譜が公開されたり、孫〓(ひん)が参謀となった戦地が特定されるなど、春秋・戦国時代の兵法家の実像が明らかにされていった。発掘関係者たちへのインタビューによって事実経過を報告し、竹簡の解読の成果を盛り込み、古代中国の兵書にまつわる豊穣な世界を現代に甦らせる歴史ドキュメンタリー。
目次
プロローグ
第1章 兵書出土
第2章 竹簡が明かす真実
第3章 竹簡兵書からみた孫武・孫〓(ひん)伝
第4章 二人の孫子と二種の孫子兵法
第5章 孫武・孫〓(ひん)の実像を求めて
第6章 世紀の陰謀
エピローグ
著者等紹介
岳南[ガクナン]
1963年山東省生まれ。解放軍芸術学院文学系卒業後、北京師範大学魯迅文学院文芸学研究生班を経て、中央国家機関に勤務。中国作家協会会員。北京在住。90年代以降、中華考古文学学会を設立、考古学のルポルタージュの創作を手がけ、10冊を刊行、各国語に翻訳されている
加藤優子[カトウユウコ]
1948年東京都生まれ。東京外国語大学英米語学科卒業、翻訳家。(社)国際日本語普及協会(AJALT)会員
浅野裕一[アサノユウイチ]
1946年仙台市生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。東北大学大学院環境科学研究科教授。中国哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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メルセ・ひすい