師弟のまじわり

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  • サイズ B6判/ページ数 288p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000234993
  • NDC分類 371.3
  • Cコード C0098

出版社内容情報

人類の知の歴史は、同時に教える者と教わる者の歴史でもあった。知の伝達にあたって、師は誰に何をどのように受け渡そうとするのか。弟子は師に対していかに臨み、何を求めるのか。権威と反逆、敬愛と嫉妬、信頼と裏切り……。古今の例を自在に引きながら、教育という場に生まれる数々のドラマを描きだしたユニークな文化史。

内容説明

人類の知の歴史は、教える者と教わる者の歴史でもある。知の伝達にあたって、師は何を誰にどのように受け渡そうとするのか。弟子は師に対していかに臨み、何を求めるのか。権威と反逆、敬愛と猜疑心、信頼と裏切り…。古今の例を自在に引きながら、教育という場に生まれる数々のドラマを描きだす稀有な文化史。

目次

第1章 起源の存続
第2章 火の雨
第3章 偉大な師
第4章 思考の師匠
第5章 新世界にて
第6章 不老の知性

著者等紹介

スタイナー,ジョージ[スタイナー,ジョージ][Steiner,George]
1929年生まれ。文芸批評家。ジュネーヴ大学比較文学教授、ケンブリッジ大学チャーチル・カレッジ・エクストラオーディナリー・フェローを歴任。英仏独語とギリシア語・ラテン語に通じ、古典古代から現代までの文学・哲学・芸術・科学にわたる該博な知識を駆使して旺盛な執筆活動を展開する

高田康成[タカダヤスナリ]
1950年生まれ。東京大学大学院博士課程中退。専攻、英文学・表象古典文化論。東京大学総合文化研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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南北

54
知識や技術の伝承は師弟関係によって伝承されてきた。本書は師弟の間で伝承される「教え」に焦点を当てて、西洋の人文科学系を中心にさまざまな師弟関係を論じている。注釈がないことから見ても本書は論文ではなく、師である著者が弟子としての読者に「教え」を提示した本と見ることができて、興味深く読むことができた。あらためて思うのは師弟関係とは対面で行われるものであって、コロナ禍での大学の講義のようなオンラインで行われる環境では実現できないのではないかと思う。飲酒の年齢制限が厳格になっている今日では特にその実現が困難だろう2025/05/21

壱萬参仟縁

15
2003年初出。1844年、マルクスは教育を「友愛を交わし信頼を交わすことだ」と考えていた(38頁)。ゲーテの学界への嫌悪は有名で、これをして、「有能な者は創造を行う。無能な者はただ教えるのみ」、「教えることにも無能な者は、学校の教師になる」(102頁)と言わしめているのだ。うーむ。そうかも(苦笑)。生徒はたまらんが。フランス語では、師はメートル(136頁)。単位にもなっているが、成績を測るという連想に繋がるが、無関係? 理想の師弟関係は、1対1に思う。ただ、どこかで離反というか自立しなければならないが。2013/07/18

メルセ・ひすい

4
15-120今、不敬の時代それは政治的革命、オルテガの言う「大衆の反逆」、そして科学に不可欠の懐疑主義、社会的大変動。人類の知の歴史は、教える者と教わる者の歴史でもある。知の伝達にあたり、師は何を誰に伝え、弟子は何を求めるのか。わが国では哲学という?造語⇒叡智・愛智の重要性。科学主義、フェミニズム、大衆民主主義そのメディア支配。コンピーターの常用、情報理論の普及、検索機能の利用。インターネットと世界的なウェブの偏在。…「師の教え」教育という営みの場が生みだす数々のドラマを、古今の例を引き描く稀有な文化史。2012/01/18

メルセ・ひすい

3
ハーヴァード大「ノートン記念講義」での連続講義。芸術史のノートンを記念している。第六章は『荘子』からの引用。詩の女神ムーサイの母は「記憶の女神ムネモシュネ」。実はこの書はムネモシュネの庇護の下に生み出された一篇の豪華な詩。スタイナー先生はギリシャ・ラテンの古典語、英仏独語と文化はては古代中国…稀有なる比較文学の結晶…。2012/02/01

koala-n

2
主に欧米の哲学・文学・宗教などの人文学界(および作品)で繰り広げられた師弟関係を分析しつつ、人を教える・人に教えられるという人間にとって根源的な体験がどういうものかを描いた評論。古くはプラトン以前から最近の大学教育までをざっとカヴァーしているが、教育の本質的な部分の変わらなさが印象に残るとともに、それでも時代が下るにつれて師弟間の濃密な相互感化がだんだんと希薄になりつつあるようだ。これは昨今の文学部等のリベラルアーツを担った学部の後退と軌を一にしているようにも感じた。総体に読みやすく、翻訳もナイス。2014/09/16

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