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ジェイムズの多元的宇宙論

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  • サイズ B6判/ページ数 273p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000234603
  • NDC分類 133.9
  • Cコード C0010

内容説明

二〇世紀初頭の大いなる転換期に、もう一つの宇宙意識、異なった宗教意識を求めて、人の心の「昼と夜」を探険した、類まれな精神の軌跡。多重人格や霊媒現象などの異常心理の研究から、宗教経験の世界へと分け入り、座礁寸前に追い込まれた理性が紡ごうとする新しい意味と、秘かな音楽に耳をすます。「科学から宗教へ」、巨大な落差を跳躍した経験は、やがて純粋経験の哲学と多元的宇宙論という、革命的な世界観に結実する。生と存在の根源としての純粋経験を包む、色彩と音楽と精神性にあふれた、曼荼羅のような多元宇宙。西田幾多郎、鈴木大拙、フェヒナー、宮沢賢治らと交差させつつ、理性と非理性のはざまを抜けて、いきいきしたヴィジョンのほうへと歩んだ思想の冒険を描き出す。

目次

第1部 科学から宗教へ(理性と境を接するもの;『心理学原理』からの出発;多重人格と心霊研究)
第2部 そして多元的宇宙のヴィジョンへ(神秘―理性と野生の音楽としての;純粋経験の世界;多元的宇宙)

著者等紹介

伊藤邦武[イトウクニタケ]
1949年生まれ。専攻、哲学。現在、京都大学大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さえきかずひこ

12
プラグマティストとしても有名なジェイムズの略歴を簡単に見たあと、その著作『心理学的原理』『宗教的経験の諸相』『多元的宇宙』を続けて考察していくことで、神的存在や神霊研究に深くかかわりながら、世界との親密度を深めようと思索を続けた彼の生涯、そしてその哲学のユニークさに迫る一冊。西田幾多郎、夏目漱石、宮沢賢治など日本の著作家に影響を与えた点についても丁寧に触れ、また華厳思想など東洋思想との類似性、西洋思想における一元論的哲学との差異についても手際よく紹介しており、著者の該博な知識の一旦を垣間見ることができる。2019/04/20

ゆきだるま

5
哲学としての多元的宇宙論や宗教、心理学(多重人格の研究などからの人格とは、自己とはみたいなこと)や心霊研究とか、なんの関連が?と思ったけど、読み進めるとしだいにわかってくる。理論的であり感覚的だな。その宇宙は交響曲みたいなものかなあと思った。個(経験)が無数に絡まってて、しかし全体として一である、という。西田幾多郎とか梵我一如と似てる?と思ったけど、絶対的な一に集約されるわけじゃないのだと。(その違いも説明されてる。)どっちかというと華厳経に近いのだと。そして話は「インドラの網」から宮沢賢治にまで及ぶ。2023/01/09

ハイパー毛玉クリエイター⊿

0
大真面目に「霊媒現象」について研究したり、私が好きな漱石や宮沢賢治に絡めてウィリアム・ジェイムズについての話が展開されたりするので、面白くはあったのだが、どうも内容が難しく、いつのまにやら子守唄に…。結果、読み始めてからかなり時間をかけての読了となった。2015/02/11

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