内容説明
地方分権の時代、教育の世界でも、予算から人事まですべてを中央(文部科学省)が掌握する時代は終わろうとしています。そこで焦点となってくるのが、地方のイニシアチブのあり方です。そこでの要となる、地方自治体の教育委員会は機能しているのでしょうか。自治体トップである首長の裁量はどこまで広げられるのでしょうか。市民の参加はどうなっていくのでしょうか。また、改革次第で学校現場はどう変わるのでしょうか。戦後の教育行財政システムに通暁した教育行政研究の第一人者が、愛知県犬山市、埼玉県志木市、鶴ヶ島市、京都市など、改革の先陣を切っている自治体の例をひき、その取り組みの実態を見ていきます。
目次
1 教育委員会とは何か―そのしくみと組織(問われる教育委員会制度;教育委員会設置の意味 ほか)
2 教育委員会改廃論議と教育行財政システムの改革(教育委員会制度の改廃論議;教育行財政システムの特徴と問題)
3 自治体発信による教育改革の胎動(市区町村長は教育委員会制度をどう見ているか―市区町村長アンケート調査結果から;自治体の先進的な取り組み事例―教育政策革新を可能にしている要因は何か)
4 アメリカ教育委員会制度の実情と改革動向―日本への示唆(アメリカ教育委員会制度の実情;教育委員会の活動 ほか)
5 地域教育改革の課題と市区町村教育委員会の可能性(市区町村教育委員会による改革を可能にする条件とは;市区町村教育委員会「再生」の処方箋)
著者等紹介
小川正人[オガワマサヒト]
1950年生まれ。東京大学大学院教育学研究科教授。専門は教育行政学。戦後日本の教育行財政システムに知悉。その研究の蓄積をもとに各地の自治体の教育政策のリサーチを行い、現在の教育改革に対して積極的な提言を行っている。現在、文部科学省の中教審・専門委員・臨時委員等を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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