内容説明
優れた報道姿勢により高い信頼を得ている信濃毎日新聞で長年にわたって編集局長を務めた著者が、自らの経験をもとに語る硬派ジャーナリズム論。誤報の要因や権力との関係等、危機に瀕した現在のジャーナリズムが抱える問題を鋭く読み解く。取材のテクニックや記事の書き方など、実践的なノウハウも紹介。
目次
第1部 新聞ジャーナリズム復活への視点(新聞界の現状と危機;ニュースはこのようにして「ニュース」になる;ニュースの変質;スクープと誤報;権力との距離 ほか)
第2部 ジャーナリズムの技術(新聞記者の適性と行動規範;取材のテクニック;執筆のルールとテクニック)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GX
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レストランの調理人が、最初は、お客さん=読者が何をおいしいと思うか、つまり何に関心があるか、想像しながら食材=ニュースを選んでいるというのが第一の基準なのに対して、この調理人が栄養士も兼ねていて、栄養も考えたらこの食材も食べなきゃだめだよ、という視点で材料=ニュースを選んでいるというのが第二の基準だ。 基本は読者への責任感を背景にした恐怖心が足りなかったと言うしかない。 複合誤報を防ぐには、まず当局の情報といって鵜呑みにしないことが大切だ。次に、ストーリーテラー(物語作家)や知ったかぶる欲求を抑えることだ2015/09/21
むっく
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形容詞や副詞、文体などは「腐る」が固有名詞と動詞は「腐らない」、という話が特に印象に残る。事実の積み重ねこそが人々の心を動かす。参考にしよう。2012/07/06
かわのふゆき
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仕事の参考に。著者は元信濃毎日新聞編集局長。少々気負いすぎているが、書いてあることはジャーナリズムの一端を知りたい人には役に立つと思う。だいたい、新聞ジャーナリズムは、昔も今も変わらず、まったく進化していないのだし。2009/12/07