内容説明
名づけえない非合理的なるものは、克服された「未開」ではない。それは「生の事実」として、私たちの足下をも洗っている。宗教を語る言葉と方法に、近代的な精神の危機を読み解いてゆく。生きられた思想としての「宗教学の歴史」叙述の試み。
目次
宗教哲学から宗教史へ
未知の文化の解読
諸言語が語るヨーロッパ初期宗教史
近代文明における原始宗教の現存
供犠 あらゆる社会的義務の根源
呪術 文明の奥底に潜む脅威の王国
古代ギリシア宗教に映し出された生の無窮性
救済宗教の生産的力
宗教史の再構成とその諸モデル
宗教史に由来する分業社会の社会道徳
脱呪術化という偉大なる宗教史的過程
自己体験としての宗教
宗教史叙述が映し出している近代化
著者等紹介
キッペンベルク,ハンス・G.[キッペンベルク,ハンスG.][Kippenberg,Hans G.]
1939年生まれ。現代ドイツを代表する宗教学者の一人。ブレーメン大学を定年後、現在、エアフルト大学マックス・ウェーバー研究所にてフェローを勤める。ドイツ宗教(史)学協会会長。個別宗教史から宗教史論・宗教社会学まで、その研究領域は多岐にわたる
月本昭男[ツキモトアキオ]
1948年生まれ。専攻、旧約聖書学・古代オリエント学。立教大学文学部教授
渡辺学[ワタナベマナブ]
1956年生まれ。専攻、宗教学、心理学思想。南山大学総合政策学部教授
久保田浩[クボタヒロシ]
1965年生まれ。専攻、宗教学・宗教史、比較宗教学、ドイツ地域研究。テュービンゲン大学文化学部日本文化研究所専任研究員
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感想・レビュー
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岩崎俊
せみ