新戦争論―グローバル時代の組織的暴力

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 298p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000233781
  • NDC分類 319.8
  • Cコード C0031

出版社内容情報

冷戦後,なぜ戦争の形態は変貌したか.戦争の脅威が更に高まる要因とは何か.気鋭の平和研究者が,諸紛争の背後に暴力の連鎖の必然性を見出し,同時に戦争を阻止する方途を展望した.9.11事件を理解する必読書.

内容説明

冷戦終結後、軍事革命とグローバリゼーションの下で戦争は劇的に変貌した。旧来の戦争イメージでは、「新しい戦争」を認識できない。本書は、気鋭の平和研究者が、地球規模の諸紛争を分析し、新たな戦争を定式化した注目の書。そして戦争阻止の方途を展望した論点は、今まさに現実世界の中で試されようとしている。九・一一事件を分析した日本語版新稿も収録。

目次

第1章 序論
第2章 旧い戦争
第3章 ボスニア・ヘルツェゴヴィナ―「新しい戦争」の事例研究
第4章 「新しい戦争」の政治
第5章 グローバル化した戦争経済
第6章 コスモポリタン・アプローチへ向けて
第7章 ガヴァナンス・正統性・安全保障
補章
「新たな」新しい戦争―日本語版へのエピローグ

著者等紹介

カルドー,メアリー[カルドー,メアリー]
1946年生まれ。サセックス大学を経て、現在はロンドン大学・グローバルガバナンス研究センター教授。専攻=国際関係論・世界市民社会論。冷戦期には欧州反核運動のリーダーの一人であり、近年は平和秩序創造のためにグローバルな市民の拠点を構築するという学問的実践的観点から、コソヴォにおける人権回復を求める活動等にも参加

山本武彦[ヤマモトタケヒコ]
1943年生まれ。静岡県立大学教授を経て、現在は早稲田大学教授。専攻=国際政治学

渡部正樹[ワタベマサキ]
1973年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。ロンドン大学大学院修士課程修了。現在、国際協力銀行北京事務所駐在員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てっき

1
課題作成のために読んだ本。「新しい戦争」について、内容自体について触れたのは初めてであったので新鮮だった。ボスニアの現場を見た著者による分析はその対処に必要な事項の案出までが記載されており、議論としては非常に面白いものであったし、生々しさを感じた。特に破綻国家内における平和構築について、DDRやSSRの重要性を当時から指摘していた点は、イラク戦後などに何故もっと注目されていなかったのだろうかと思うほど的確であったと感じる。2020/08/31

Quijimna

1
混迷の度を深めるバルカンの地を踏んだ後に手に取った一冊。完全に一致したわけではないが、相対主義・多元的思考を文化人類学的な視点から提起。ナショナリズムが本質から生まれたのではなく、プロパガンダによって醸成されたこと。流された血の教訓として多くの示唆に富む。★★★★☆2005/03/21

ようへい

0
著者は、ボスニア、コソボでの戦争を新しい戦争と定義する。新しい戦争は、アイデンティティに基づいての権力を主張し、理念を求めるものとは異なる。それはレッテルを貼ることで分裂を促すものである。ボスニアでのデイトン合意は、民族浄化が事実上完了したことを認めるに等しいと批判する。この新しい戦争に対処するにはトップダウン型の解決ではなく法を遵守することが規範となり分断を防ぐボトムアップ型の政策が必要である。それには空爆ではなく、人道目的のために命を落とす地上軍の導入が大事となる。2013/09/25

crow_henmi

0
カルドーはボスニア紛争の在り方を詳細に調査し、いわゆる民族紛争の構造を指し示した。ここに登場する各民族勢力は「紛争のための紛争」を起こし、そこから利益を上げる軍閥に憎悪を煽り立てられ利用されている。このような状態で、民族主権を云々すること自体が、軍閥の思惑に乗ることになり彼らの利益を増し民族融和や自立を阻害すると指摘している。2012/02/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/280824
  • ご注意事項

最近チェックした商品