出版社内容情報
新約聖書が語る救済は,ある経験の自覚的な表現である.その宗教経験の本質が決定している,語りと論理とは何か.イエス物語,パウロ,ヨハネ神学を,独自の手法で分析・比較する.「神が働く場所」を捉える表現言語の復権に向けて.
内容説明
新約聖書に、宗教経験の生ける力動を読む。「信」のダイナミックスを読み解く、新しい文法。キリスト教と仏教の本質的な対話に向けて。
目次
第1章 新約聖書思想はいかにして理解されるか―経験・自覚・言語化(神信仰;キリスト信仰と「自己・自我」について;仏教との出会い ほか)
第2章 新約思想の構造分析(構造分析の方法;四つのモデル;イエスの思想の構造分析 ほか)
第3章 場所論的神学の主要概念の記号化と命題の分析・検証―場所論的神学の構造に向けて(神、聖霊、うちなるキリスト;神について語る命題の記号化;主要概念の記号化 ほか)
結語 場所論的言語の復権に向けて
著者等紹介
八木誠一[ヤギセイイチ]
1932年生まれ。専攻、新約聖書神学、宗教哲学。東京大学とゲッチンゲン大学で学んだあと、東京工業大学、国際基督教大学、ベルン大学(スイス)、ハンブルク大学、桐蔭横浜大学などで教鞭をとる。現在、桐蔭横浜大学客員教授。文学博士、名誉神学博士。新約聖書学研究から出発し、仏教との対話を媒介としつつ、キリスト教と仏教との交点に立って、宗教の本質を探る
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