「ジプシー収容所」の記憶 - ロマ民族とホロコースト

「ジプシー収容所」の記憶 - ロマ民族とホロコースト

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  • サイズ B6判/ページ数 257p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000233323
  • NDC分類 234.074
  • Cコード C0023

出版社内容情報

ナチス体制下のロマ民族(いわゆるジプシー)殲滅計画-本書は多くの日本人にとって未知の事実の全貌を,過酷な迫害を体験したロマの女性が著した自伝と,悲痛な記憶を呼び覚ますインタビューによって明らかにする.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たまきら

44
同じ女性として、姉妹がいるものとして、彼女の体験に感情移入してしまいました。戦争が始まるまでの楽しい日々。「ちょっとの自由があり、そっとしておいてもらえればそれで大満足」なスィンティーロマ民族の一員だったフィロミナさんの戦前のエピソードが美しく彩られているだけに、収容所の描写は惨かった…。前半は彼女の文章、後半は編者の聞き取りが中心となっていて、そのおかげでより深くロマ民族のこと、歴史背景が理解できます。またこういう大量虐殺を可能にしてはならないーそう強く胸に刻みました。読み友さんの感想から。2023/09/22

つちのこ

33
ホロコーストの犠牲となったロマについて書かれた本は数少なく、ナチスが行った戦争犯罪を知る上では貴重な一冊。内容は収容所から生還した女性の証言と、彼女との二度にわたる聞き取り調査。後半は国内外を問わずホロコーストの事実(ガス室の有無等)を否定・歪曲する勢力に対して論点を詰めた検証を行っている。インドを起源とする国をもたない流浪の民ロマは、ジプシーのくくりとして一言でまとめるものではなく、そこには本書の証言者のような音楽や舞踊を生業としてきた定着民であるスィンティもいる。⇒2023/06/09

扉のこちら側

10
初読。過去の歴史はなかったことにはできない。「泥酔者が酔っていないと自己申告するような」との著者の弁に納得。記憶の暗殺者という言葉にも考えさせられた。2012/07/24

印度 洋一郎

3
ロマ(いわゆるジプシー)の女性によるドイツの強制収容所体験記と、イギリス系の研究家によるインタビュー、研究家による考察の三部構成。戦後、旧西ドイツではロマの収容所被害者に対する補償をなかなかやろうとせず、社会のロマ差別も強かった事がわかる。そして、東ドイツでは「ナチスとは関係ない」という立場で加害責任への意識は西よりも更に薄かった。興味深いのは、研究者が戦時中の記録を検証し、ロマ女性の書いた手記との相違点を確認するためのインタビューを行っていると、ロマ社会の男尊女卑や、ロマ内の集団への偏見が見えるところ。2022/05/11

メコノプシスホリデュラ

2
Ⅰ、『愛と憎しみのはざまで』(ロマ民族の一集団のシンティであるフィロメナ・フランツによる少女時代と強制連行・強制労働・逃亡等についての手記)、Ⅱ(前半)、フィロメナの手記や口述された記録を文献資料などと突き合わせて期日や場所の記憶違い等を検証、Ⅱ(後半)、ホロコーストを否定する「歴史否定主義者」への批判、からなる三部構成。Ⅰ部とⅡ部前半については訳註も充実しており、私がこの本で読みたかったことなので興味深かった。当時のロマ(ジプシー)の状況や強制収容所についての生存者であるフィロメナさんの証言には重みがあ2014/06/17

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