内容説明
キーワードは、「楽しく、力のつく」―。日常になじみのあるサブカルチャーこそ、子どもたちの読解力を高める教材になる。学習者の「いま、ここ」に学びを立ち上げ、魅力的な授業をするために、教師はなにをしなければならないか。豊富な蓄積から、「もっと知りたい!」を引き出す具体的な仕掛けと工夫を紹介する。
目次
第1章 新たな学びを立ち上げる
第2章 「素材」→「教材」への架け橋
第3章 マンガ×国語=??
第4章 アニメ×国語=??
第5章 ゲーム×国語=??
第6章 学びは面白くなくてはならない
著者等紹介
町田守弘[マチダモリヒロ]
1951年、千葉県生まれ。早稲田大学卒業。早稲田大学系属早稲田実業学校中・高等部教諭・教頭を経て、早稲田大学教育・総合科学学術院教授。教育学部と大学院教育学研究科の授業を担当。2004年4月から4年間、早稲田大学系属早稲田実業学校初等部校長を兼任。専攻は国語教育で、主にサブカルチャーを活用した国語科の教材開発と授業開発に関する研究を進めている。博士(教育学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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またの名
6
お世話になった先生へ宛てた手紙に憎悪と嫌悪と軽蔑を皮肉たっぷりに書きつける学生世代を相手にするには、一体どのような学習方式が有効なのか。あれこれ試行錯誤しアニメや漫画を駆使した授業を展開する教師達の努力は、ヒッチコック映画でラカンやヘーゲルを解説するとかたまごっちから現代資本主義社会を読み解くとかしてるジジェクが大衆文化を啓蒙手段に使うのに似て、表面的な軽さとは裏腹に非常に真剣。ドラクエ、ラーメンズのコント、『君に届け』等々サブカルを素材にして変貌する教育の風景は、現代社会の病理と希望を同時に感じさせる。2016/03/15
はづきち
5
読むのに時間がかかりましたが…。早稲田の町田先生が、マンガやアニメやゲームをどのように国語科教材として扱ったかという実践が書かれています。 確かに実現できたらおもしろそうだと思うけど、それは基礎的な学力がついている生徒たちを相手にしているからできるのであって、私が今いる学校のようなところでは絶対に通用しないと思いました…。冷めた読み方だとは思うけど、しかたない。2016/04/27
Akito Yoshiue
2
取り入れてみたい事柄もあり、参考になった。2016/01/08
とろやん
1
読解力を育むきっかけとして、サブカルチャーを取り入れる実践について、体系的に教育書、論文を記述しながら書かれた本。とても丁寧な書かれ方で、作文教育(読解力なのになぜ作文かは本文を参照してほしい)のネタなど、授業づくりの創造性が刺激された。 2022/04/02
コハル
1
さらっと気になるところだけ、不易流行の国語は自分も大切にしたいと思った。 実践に移すのは公立高校であるとかなり難しいのかもしれないがこれからの時代を生きる生徒のニーズに合わせた授業をできるだけ展開できたらいいなと、一介の教育学部生は思いました。2018/05/30