内容説明
近年、最高裁判所が立法府や行政庁に対して毅然とした判断を示したり、市民の共感を得やすい柔軟な解釈を示すことが多くなったと言われる。その「変化の兆し」の一翼を担ったとされる弁護士出身の元最高裁判事が、自身の最高裁時代をふり返りつつ、近年の注目すべき数々の判例を解読。司法に新しい潮流は生まれているのか考え、変化の所在を探る。
目次
1 最高裁判所の内側(最高裁裁判官の任命;最高裁判所に求められているもの;最高裁判所での仕事の現実;最高裁判所のこれからについて考える)
2 司法のプレゼンスは変わったか(何が司法を変えたのか;行政訴訟にみるこの一〇年間の新しい判断;民事訴訟にみるこの一〇年間の新しい判断;刑事訴訟について感じたこと)
3 これからの最高裁判所の行方
著者等紹介
滝井繁男[タキイシゲオ]
1936年生まれ。京都大学法学部卒業。63年弁護士登録。法制審議会民訴法部会委員、大阪弁護士会会長、日弁連副会長などを経て、2002年から2006年まで最高裁判所判事。現在、弁護士、関西大学法科大学院特別顧問教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ステビア
20
答えは「イエス」。「一歩前に出る司法」が実現されつつあるということ2025/02/27
TW
4
裁判所の判断の変遷や、裁判所が節目節目にどのような判断をして変わっていったのかといったことを現実にあった事件、判決から読み解いていく本書。法律家としての視点に欠け、行政官や代議士的な物の見方をしてしまう私としては非常に参考になりました。てか、これは買っちゃおうかな・・・・高いけど(汗) 2800円也・・・・ 課題図書でもなんでもなく趣味本として買うには若干お値段が気になるな。正確には値段より置き場に困る。。。法曹志望者にはそれくらいオススメの本書ですよ(o・▽・o)/2012/07/14
MI2
1
元大阪弁護士会会長・元最高裁裁判官の滝井繁男氏による最高裁裁判官任期回顧記。 最高裁は,①第三審かつ終審,②判例統一法院,③終局的付随的違憲審査法院,④司法行政の頂点,としての主に4つの顔を持つ。意外と知られることの少ない最高裁内部の日常について(④以外),そして既存の民集登載判例を中心とする判決の裏側について,上告対象事件の裁判官から見た絞り方の適否について,滝井氏がつづられた内容は貴重なものといえる。 最高裁の中の意外に自由な議論の雰囲気が近時の最高裁の態度変化を生んでいるのかもしれない。2012/02/16
メルセ・ひすい
1
司法・行政法をやらなかった人間は読みにくい!2009/10/15
hirotada_k
0
近年の判例を一通り勉強した後で読むと背後の考え方とかが伺えて面白いと思います。分かりにくいとかはないですが、個々の事件•法律解釈から考察しているので(浅くでもいいので)一通り勉強した人向けかと。藤田先生の本と読み比べると弁護士出身の方と学者出身の方の微妙な思考様式の違い等が分かってさらに面白いかも。2014/02/13
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